フリーズドライのラクレット発売 新得「広内エゾリスの谷チーズ社」
【新得】新得町内のチーズ工房「広内エゾリスの谷チーズ社」(町新得西3線42、寺尾智也代表)は、ナチュラルチーズのラクレットをフリーズドライ加工した新商品を発売した。寺尾代表は「熟成期間など試行錯誤して商品化できた。冷蔵しなくても長期保存できるので、北海道や十勝のお土産にも合っているのでは」と話している。
同社は、2020年春に設立し、白カビタイプのチーズ「コパン」やフレッシュチーズの「フロマージュ・ブラン」、ラクレットタイプでは珍しい熟成期間が1カ月の「枡(ます)」などを製造販売している。
寺尾代表は「輸入チーズやプロセスチーズのフリーズドライチーズは販売されているが、国産のナチュラルチーズは珍しいのでは」とし、「チーズは北海道らしいお土産だが、冷蔵して持ち帰らないといけないのでためらう人もいるのでは」と、フリーズドライチーズの商品化を目指した。
商品化に向けては、フリーズドライ加工に合った味わいになる熟成期間を探るのが最も大変だった。熟成期間が長いと塩味が強くなりすぎ、短いと風味が弱くなるなど「結局、通常のラクレットと同じ3カ月間ぐらいが良かった」という。
フリーズドライは、急速冷凍させた後に真空状態にして乾燥させる加工法で、加工前と風味や栄養にほとんど変化がないのが特徴。同社のフリーズドライチーズは、元のラクレットの重さの6割程度になる。クッキーに似たさくさくとした食感で、砕いて粉状にして料理にかけたりもできる。商品は25グラム入りで、希望小売価格は810円。
容器は携帯しやすい大きさで、寺尾代表は「手軽に栄養補給できる。外出時や登山の携行食、非常食にも」と薦める。その上で「チーズのおいしさ、楽しさをこれからも探究し、いろいろな食べ方、楽しみ方を提案していきたい」と話している。
フリーズドライチーズの店頭販売は、今月下旬からJR新得駅内の新得ステラステーションや糠平温泉中村屋(上士幌)、道の駅ガーデンスパ十勝川温泉などで取り扱う。同社のウェブショップからも購入できる。問い合わせは広内エゾリスの谷チーズ社(0156・67・9240)へ。(平田幸嗣)