長野五輪の地元選手応援の横断幕、今も大切に 新得
【新得】1998年2月に開かれた長野冬季五輪大会に、日本代表としてスピードスケート女子3000メートルに出場した新得町出身の宗像記子さん(48)=カナダ・カルガリー在住=を応援した横断幕が、宗像さんの母校、屈足南小学校(川原千暢校長、児童45人)で今も大切に保管されている。地域では宗像さんの時と同様に、北京冬季五輪に出場している日本選手にエールを送っている。
宗像さん(元富士急-白樺学園高、屈足中、屈足南小出)は当時、身長155センチと小柄ながら、世界の舞台で強豪相手に力走。長野冬季五輪では4分20秒72を記録。参加選手32人中18位の成績だった。
町で初のオリンピアンを応援しようと「宗像記子さんを応援する会」を結成し、斉藤敏雄町長(当時)ら町民30人を長野に派遣。父一(はじめ)さん(85)と母千津子さん(80)も、スタンドから観戦。2人は「小さい身体が大きく見えた。多くの声援の中、完走した姿は脳裏に焼き付いている」と懐かしむ。
屈足総合会館には約200人の町民が応援に集まった。大型スクリーンに映し出された記子さんの力走に声援を送り、ねぎらいの大きな拍手が起こった。同会館では、記子さんと小・中学校の同級生で、公務員の木綿仁司さん(48)=町屈足=も観戦。「(記子さんは)頑張り屋だった。学校の小さいリンクで滑っていた姿を思い出す」と話している。
横断幕(縦90センチ、横約7メートル)は、屈足南小学校の公務補西村良雄さん(69)が、2月8日に同校資料室で偶然発見した。記子さんが長野冬季五輪に出場した記念日の2月11日には、応援で着用した法被やポンチョ、大会プログラムなどを関係者が持ち寄り24年前の思い出に浸った。
横断幕が保存されていることを知った記子さんは「懐かしいと同時に、両親や家族、地域の皆さんの支援のたまもの。五輪出場は私の誇り」と話した。
1998年4月には、宗像記子さんに第1号となる「町民栄誉賞」が贈られている。
(佐々木健通信員)