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人の気配「ラジオから聴こえる愛」

キャンプ中の中島ヒロトさん

 音楽を作り、発表することで表現を続けている。もちろん完成した作品はなるべく多くの人に届けたい。すでに僕のことを知ってくれている人には自分の努力で届けることもできるが、知らない人に届けるというのがなかなか難しい。そこは事務所やレコード会社の腕の見せどころ、つまりは愛がものをいうわけだが、同様に愛を感じ、いつも感謝をしているのがラジオである。

 十勝のラジオといえば「FM-JAGA(77・8メガヘルツ)」だが、これを読んでいる方にはもう説明不要だと思うので、今回は大阪のラジオ局「FM802」と、そこでパーソナリティーを務める中島ヒロトさんを紹介しようと思う。

 平日の午後に毎日4時間の生放送。少し掠(かす)れた大きな声には溢(あふ)れる生命力がある。ラジオから聴こえてくるその声に元気をもらっているという人も多いだろう。僕の音楽を好きだといってくれていることもあり、今では週に1回のネットラジオ「たまに飲むコーラはうまい」を続けながら、一緒にキャンプをするほど仲の良い先輩であり、友人である。

 中島ヒロトというラジオDJはその声から、豪快で小さなことは気にしないイメージを持たれているように思う。しかし、僕の知っているヒロトさんは用意周到で、常に周りを見ている、とても気の利く漢(おとこ)である。それゆえ、周りに退屈そうな人がいれば放ってはおけない。「こっち来なよ」と声をかけ、自分の好きなことを話し、笑いを誘う。そのうち自然と肩の力が抜けていく。そんな瞬間を何度も見てきた。

 破線だとしても人生は続いていく。それならば漂う愛に少しでも手を伸ばそう。そんなことを歌った『Floatin’ Groove』をヒロトさんは好きだと言ってくれた。


<Keishi Tanaka(タナカ・ケイシ)>
 ミュージシャン。1982年大樹町生まれ。大樹小、大樹中、帯広柏葉高卒。V6への楽曲提供が話題。3月26日、渋谷クアトロでワンマン公演を開催する。

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