雪不足やきもき スキー場や氷まつりの関係者、小学校リンク造成も
十勝管内は晴れの日が多く、雪不足が続いている。各スキー場からは「ここ数年でも特に雪が少ない」と嘆く声が聞かれる。「おびひろ氷まつり」(28~30日)は雪不足を見据えて、新たな形式を模索中。帯広市内の小学校ではスケートリンクの造成が難航している。(松村智裕、澤村真理子、石川彩乃)
帯広測候所によると、少雪の要因は、冬型の気圧配置の日が多く、暖かく湿った空気で十勝に大雪をもたらす南岸低気圧の影響が少ないため。この傾向は3年ほど続いているという。
8日午前8時現在の管内各地の積雪量は、帯広で3センチ(平年31センチ)、芽室2センチ(同35センチ)など例年に比べて大幅に少ない。管内12観測地点のうち、2桁の積雪を記録しているのは2カ所で、上士幌町ぬかびら源泉郷は14センチ(同49センチ)、陸別も11センチ(同33センチ)にとどまっている。
メムロスキー場(芽室町)は昨年12月29日にオープンしたが、利用できるのは1コースの一部のみ。フロントの山口麻衣子さんによると「ほとんどが人工降雪機による雪」で、山肌には土や草が見えている部分もある。
サホロリゾートスキー場(新得町)は12月17日から営業も「通常は12月1日なのでかなり遅い」。コースの半分は使用できず、斎藤和則支配人は「この15年ほどの中でも雪の量は最も少ないのでは」と話す。
ぬかびら源泉郷スキー場(上士幌町)は「雪不足で大幅に遅れた」と一般向けのオープンは今月11日から。人工降雪機のない白銀台スキー場(幕別町忠類)は「まとまった雪が2~3回降らないと営業できない」(町地域振興課)としている。
おびひろ氷まつりを主催する帯広のまつり推進委員会は「通常規模の開催は困難。降雪を待って、できる範囲で準備を進めるしかない」と今後を不安視する。
トラック150台分の雪を使う陸上自衛隊による滑り台は、規模を縮小する計画に見直した。帯広青年会議所による雪の迷路は制作を中止した。2年ぶりの「市民氷雪像コンクール」は、6日までに10組の申し込みがあったものの、全組が雪像を希望。同推進委は「雪が集まらなければ中止せざるを得ない」とする。
スケートリンクも造成できない状況が続く。市教委によると、業者に造成を委託する市街地の21小学校は4年連続で2学期中にスケート授業ができなかった。昨年は1月27日までに全校でリンクが完成。市教委は「今年もせめてそのくらいにできれば、2週間くらいは滑れるが…」とする。
市内のホームセンターでは除雪用品の動きが鈍い。DCMホーマック西帯広店の豊口進一店長は「(雪が少なかった)昨年との比較ではそれほど変わらないが、平年と比べると1、2割ぐらい落ち込んでいる」と話している。
11日に降雪予報
帯広測候所によると、十勝では9日明け方ごろに南部など多いところで5センチ程度の雪が降る見込み。11日から12日にかけては、2つの低気圧が北海道付近に接近し、まとまった雪が降る可能性があるとしている。(松村智裕、澤村真理子、石川彩乃)