北王農林のブドウ使用の限定クラフトビール販売 サツドラ
サッポロドラッグストアー(札幌市)は、同社のプライベートブランド(PB)のクラフトビール「エゾ グレープ ヴァイツェン(EGW)」を数量限定で販売する。同社としてクラフトビールの販売は第4弾で、北王農林(幕別町)のブドウを使って仕込んだ。クラウドファンディング(CF)で支援を募っており、11月下旬に十勝管内のサツドラに並ぶ予定。
サッポロドラッグストアーは2017年、道内の素材を使った食品などの販売事業「北海道くらし百貨店」をスタート。今年5月から、PBのクラフトビールブランド「EZOシリーズ」を立ち上げ、計3種類を販売。第4弾の商品開発を考える中で、北王農林で少量生産しているブドウ「セイベル」の存在を知り、開発を持ち掛けた。
セイベルはワインやジュースなどに使う品種。北王農林では約5年前から一部を店頭で販売し、本格的な栽培前の試行を続けている。9月には、サッポロドラッグストアーのスタッフが北王農林を訪れ、ビニールハウス内にたわわとなったセイベルの収穫作業を手伝った。その後も収穫を続け、約150キロのブドウをビール製造業者の澄川麦酒(札幌市)に送った。
フランスのボージョレ地区で収穫した年に作る新酒「ボージョレ・ヌーボー」(11月の第3木曜)の解禁時期に合わせ、ブドウを使った珍しいビールとして店頭や「北海道くらし百貨店」のオンラインショップで販売する。CFサイト「Makuake」で20万円を目標に資金調達を行っており、約14万4000円(26日時点)が集まっている。支援の返礼品として「EGW」などを用意している。1200本限定で生産し、そのうち600本を十勝のサツドラ店頭などで販売する。
北王農林の藤原昇常務は「セイベルの新しい加工のスタイルができ、うれしい」とし、サッポロドラッグストアーは「クラフトビールは新たな顧客層をつかめる力のある商品だと期待している。ブドウを感じられるビールになった」(ドラッグストア事業本部)とPRしている。(本田龍之介)