管内基準値29年ぶり上昇 全用途プラス1・1% 宅地けん引
道は21日、7月1日現在の道内の基準地価(1平方メートル当たり)を公表した。十勝管内は、全用途(住宅地、商業地、工業地の計91地点)の平均変動率がプラス1・1%となり、29年ぶりに上昇した。住宅地はプラス1・9%で3年連続の上昇、帯広、音更の他、芽室でも前年を上回った。商業地はマイナス1・8%だったが、昨年より下落幅は改善された。
平均変動率は全用途で前年より1・6ポイント、住宅地は1・8ポイント、商業地は0・7ポイント、工業地は0・6ポイントそれぞれ上昇した。平均価格は全用途が15100円、住宅地は1万3000円、商業地は2万2100円などとなっている。
住宅地に関しては、帯広の平均価格が2万8700円で6年連続の上昇。平均変動率はプラス7・7%、前年より4・4ポイント上昇した。16地点全てで上昇し、地価が高騰したバブル期前後(1990年=プラス3・5%、91年=プラス3・9%)を超える水準。
音更はプラス8・1%(4・3ポイント上昇)で4年連続の上昇。平均価格は2万3500円。4地点すべてで上昇した。芽室は2001年度以来の上昇となり、平均変動率はプラス4・9%、平均価格は1万7600万円。
その他の町村の住宅地は下落傾向が強まった。横ばいは7町村(上士幌、鹿追、中札内、更別、本別、陸別、浦幌)、9町(士幌、新得、清水、大樹、広尾、幕別、池田、豊頃、足寄)で下落した。下落率が最も大きいのは「広尾町東1条12丁目3番2」のマイナス4・3%。
商業地の平均価格は帯広が5万800円でプラス1・9%(1・2ポイント上昇)。国道241号沿いの開発や新規出店が進む音更は3万6600円でプラス3・1%(2・1ポイント上昇)。帯広は3年連続、音更は2年連続で上昇した。他は下落した(中札内、更別両村は調査地点なし)。(松岡秀宜)
国土利用計画法に基づき、毎年7月1日を基準日として、都道府県が実施する土地1平方メートル当たりの価格。国土交通省が毎年1月1日時点で調査する「公示地価」と並び、土地取引の指標となる。調査は全道1029地点で実施。十勝管内は宅地91地点(住宅地69、商業地21、工業地1)と、林地1地点の計92地点。