劇団パズル「十一匹のネコ!令和決定版」 コロナ下に子どもたち熱演
十勝管内の小中高生らでつくる劇団パズルによる第18回公演「十一匹のネコ!令和決定版」が23日、帯広市民文化ホールで行われた。緊急事態宣言下、感染対策を講じた団員17人が熱演を披露し、145人の観客を楽しませた。
同劇団は今年1月末に予定していた2日間の公演に向け、昨年6月にけいこを開始。しかし新型コロナウイルスの感染拡大で1月の公演は開催を延期した。緊急事態宣言を受け、同ホールは17日から原則閉館となったが、「子どもたちを本番の舞台に立たせたい」と脚本・演出担当の窪田稔さん(74)をはじめ団員の保護者やOB・OGらが開催に向け尽力。客席を半分以下に減らし、公演前日の22日にはチケットの払い戻しに応じるなど、感染対策を徹底して本番を迎えた。
劇のストーリーは、野良猫たちが助け合って巨大魚を捕まえる物語「十一匹のネコ!」(井上ひさし原作)を基に、窪田さんがコロナなど現代の要素を加えてアレンジ。物語を通して、環境問題や仲間の大切さについて訴えた。
小学4年生から大人までの団員17人がマウスシールドを着け、役に入り込んだ。「にゃん十」を演じた加藤千奈さん(帯広光南小6年)は、マウスシールドがあると声の出し方も変わるため、調整を欠かさなかった。「できるか不安だったけれど、終わって安心した。あっという間だった」と本番を振り返った。制作担当の加藤美果さん(47)は「開催できるか分からない状況で1年間、練習を続けてきた。中だるみしてしまうこともあったが、何とか本番を迎えた。協力してくれた方々に感謝したい」と話した。(石川彩乃)