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あんかけ焼きそば専門店「ふくいち」開店 高校生以下には低価格で提供も

親友の死を乗り越え、店長として奮闘を続ける谷内さん

 あんかけ焼きそば専門の一風変わった店「ふくいち」が2月、帯広市西3南22に開店した。市内で塗装会社を営む山内一幸さん(52)が、旧知の間柄の谷内琴美さん(49)を誘って始めた。注文は「普通か大盛り」の2種類と至ってシンプル。高校生以下には「おなかいっぱいで帰ってほしい」と安価で提供する。

 あんかけ焼きそばには大きめのエビやイカなどの魚介類、野菜に加え、豚ひき肉を使用し香ばしさを出した。普通盛り880円で大盛りが100円増し。航空会社の顧客サービスを参考に、来店回数に応じて三つにランク分けし、常連客には裏メニューとして中華料理を提供する。

 高校生以下の若者のみで来店すると、550円で振る舞う。山内さんは「(子どもたちが)小銭を握りしめて食べに来るうちに、互いの顔が見えるような店にしたい」と話す。

 店長を務める谷内さんは、市内中心部のスナックのママを約10年続けた後、介護業界に身を置いた。あんかけ焼きそばは、幼い頃から家でも食べていた思い入れのあるメニューという。

 開店の裏にはある女性の死があった。昨年12月、谷内さんの一番の親友の北山涼子さん(享年49)が、がんで亡くなった。喪失感の中、通夜で谷内さんは姉の友人で幼少期から知り合いの山内さんと偶然再会。膝を痛めて介護業界を離れ、働き先を探していた谷内さんに、山内さんが計画中の飲食店開店のアイデアを打ち明けた。「りっこ(北山さん)が引き合わせてくれたと思い、その場でやると返事した」と谷内さんは振り返る。

 山内さんは「本業の塗装業があるから、店は働く場をつくるための人助けみたいなもの。飲食経験はないが、納得のいく味を妥協せず作る」と話す。谷内さんも「帰省したときに食べたくなるような味を目指して頑張る」としている。

 営業は午前11時~午後8時。不定休。問い合わせは同店(0155・20・2727)へ。(本田龍之介)

関連写真

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