十勝の自転車普及に尽力 鎌田利道さん悼む
老舗自転車店・鎌田輪業(帯広市東7南4)のオーナーで、18日に亡くなった鎌田利道さんは、長年にわたり、十勝の自転車競技やサイクリングの普及に尽力した。選手や、サイクル・ツーリズムの普及に取り組む関係者は、鎌田さんを悼むとともに感謝の声を寄せている。
東京五輪マウンテンバイク競技の日本代表で、幕別町出身の山本幸平選手(35)=ドリームシーカーレーシングチーム=は、自身のファンクラブ会長を長年務めた鎌田さんに「感謝の気持ちしかない」と話す。
小学4年の時に初めて鎌田輪業を訪れ、家族ぐるみの付き合いを続けた。「小学生でレースに出始めて以降、店に行くたびに『スポーツ選手は常に謙虚であるべきだ』『スポーツは真剣勝負だ、やり続けるしかないんだぞ』と励まされた」と懐かしむ。
鎌田さんから届いた今年の年賀状には「自分は東京には行けないが、最後まで頑張って」と書かれていた。山本選手は「東京五輪では、教えを忘れずにゴールまで駆け抜けたい」と決意を新たにする。
十勝サイクリング協会の理事長などを歴任し、自転車愛好者の輪をつくる活動にも力を注いだ。
昨年のサイクリングイベント「十勝クライムキャンプ」の開催に関わった、十勝バイシクルプロジェクトの小川宣幸代表(47)は「鎌田さんから『受付でもなんでも手伝いたい』と言ってもらった。一線は退きつつも、自転車の楽しみを伝え続けてくれた」と惜しんだ。(北雅貴、深津慶太)