十勝総合振興局勤務の岡部さん珠算1級満点合格 管内で唯一、道内でも2人
昨年10月に行われた珠算能力検定試験(日本商工会議所主催)の1級試験で、十勝総合振興局職員の岡部孝汰さん(21)が十勝管内で唯一、満点合格を果たした。満点合格者は全国で31人、道内では2人のみの快挙。管内で出たのは4年ぶりで、岡部さんは「結果を出せてうれしい」と喜んでいる。
岡部さんは帯広市生まれ。柏小、翔陽中、帯広南商業高校卒。もともと数字が好きだったことから、祖母の勧めで珠算を始め、小学1年から中学3年まで市内の帯広三珠会丸田教場に通った。高校時代は珠算部に所属し、全道大会での優勝経験もある。社会人になってからも独学で続け、現在は珠算6段、暗算8段の資格を持っている。
1級は小学5年の時にすでに合格しており、今回の試験では7段を受ける予定だった。ところが、かつて指導を受けた帯広三珠会丸田教場の丸田艶子さんが誤って1級の申込書を岡部さんに渡した。岡部さんは誤りに気付いたが、丸田さんから「満点合格を目指したら」と言われ、「ノリで受験した」(岡部さん)という。
掛け算、割り算、みとり算の合計50問を30分で解く1級の受験は小5の合格時以来。岡部さんは「段位試験の時はスピードをつけるが、今回は正確にはじく練習をした」と振り返る。今回試験の合格者3539人中、満点合格の割合は0・9%。難易度が高く何度も挑戦する人がいる中、岡部さんは満点合格初チャレンジで快挙を手にした。
振興局では総務課に所属し、物品購入や契約などを担当。「電卓と暗算では暗算の方が計算は速い。最初は暗算、2回目は電卓で検算をしている」と仕事でも能力を生かしている。今後は10段の取得を目指しており、「今回の結果を自信に変え、珠算や普段の生活でもどんどん挑戦していく気持ちで頑張りたい」と話している。(津田恭平)