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技能実習生 十勝にも徐々に入国 コロナで遅れも現場で奮闘

11月に入国し、現在は牛舎の掃除や搾乳などに励む李さん

 新型コロナウイルスの感染拡大による規制で入国がずれ込んでいた外国人技能実習生が、徐々に入国し始めている。十勝管内の農業現場でも、すでに14日間の待機を経て働き始めている実習生がおり、貴重な戦力の到着に受け入れ先は胸をなで下ろしている。

 「日本に来ることができてうれしい。ほっとしています」。音更町の阿部農場で酪農の実習を積む中国からの技能実習生、李会美さん(38)は頬を緩める。

 李さんは中国四川省の出身。2010年から3年間、更別村の酪農家で実習に臨み、今回は1、2号より経験のある「技能実習3号」として入国。もともとは3月上旬に入国予定で、同農場の阿部伸一郎代表も期待を寄せていた。実習生とはいえ、戦力と見込んでいた李さんの到着が遅れたことで、その間の人材確保に苦労したという。

 李さんは入国に備え、自国ではサツマイモや野菜を作る畑作の仕事を辞めていた。12歳の娘、6歳の息子を育てる中、「本当に日本に行けるのか、不安な気持ちが大きかった」と振り返る。

 それでも、その後は国際的な人の往来が徐々に再開。出入国在留管理庁によると、10月1日から、健康面のフォローアップのほか、「民間医療保険に加入する」「COCOA(感染者との濃厚接触の可能性を伝えるスマホアプリ)を入れる」など受け入れ先が必要な防疫措置を確約できる場合、国籍を問わずに入国ができることとなった。

 李さんは、昨年のうちに3号として実習するための資格を取っていたこともあり、入国が緩和されて早期の11月上旬に来日。東京で14日間の待機期間を経て、同24日に音更に入った。

 実際の業務には12月から携わり、頭数100頭、うち搾乳牛80頭ほどの現場で搾乳作業や餌作り、牛舎の掃除などを担当する。「一緒に働く人が優しく教えてくれる。まずは頑張りたい」と李さん。阿部代表は「技能実習の経験も積んでおり、即戦力だと思う。適切な飼養管理をしてほしい」と期待する。

 ただ、現時点で、技能実習生が入国できているのは一部。十勝を含む技能実習生の受け入れを行っている札幌南国際事業協同組合(千歳市)では、入国が緩和されて以降、中国、ベトナムから約30人が入国したが、待機期間の関係で実際に実習に入っているのは4人(11日時点)。来年1、2月で約50人が入国の予定で、コロナで延期になっていた実習生の入国がすべて済む予定という。(中島佑斗)

<外国人技能実習制度>
 諸外国の人材を一定期間受け入れ、技能・知識を習得してもらう制度。途上国への技術支援が目的だが、国内の人員不足を背景に多くの産業で事実上の労働力としての役割を果たしている。十勝では2018年に農業・建設関連など599人を受け入れた。

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  • 11月に入国し、現在は牛舎の掃除や搾乳などに励んでいる李さん

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