抗原検査キットを従業員向けに導入 美容室グランイニシエート
十勝管内と東京で美容室を経営するグランイニシエート(帯広市、佐竹英昭代表)は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の取り組みに力を入れている。管内従業員向けに、感染しているかを判断する上で参考になる抗原検査キットを導入している。佐竹代表は「コロナ対策で手詰まり感がある中、お客さまと従業員それぞれが安心して利用できるようにしたい」と話す。
抗原検査はその時点で新型コロナに感染しているかを判定する。PCR検査と比べ精度が低いとされており、参考程度に用いられている。厚労省が承認した検査キットは医療機関などで使用されている。厚労省の認可を受けていないものも、個人の責任で自宅などで使用できる検査キットとして販売されている。
同社は管内4店と東京1店で美容室を営業。佐竹代表は、首都圏の会社員が検査キットを使って陰性かを判断する材料にしている事例を聞き、導入を決めた。同社が主催する管内外の取引先などを交えた会合を11月に行った際、参加者に検査を依頼し、全員の陰性を確認して開催した。佐竹代表は「誰が感染しているか分からない中、安心感をつくる材料の一つにはできた」とし、今後も不特定多数の人が集まる際に使う考えだ。
使用しているキットは中国製。厚労省の承認は8日時点で受けていない。同製品は米国のFDA(食品医薬品局)で緊急使用許可を得ている。綿棒で鼻の粘膜から検体を採取し、液体につけると約20分で判定できる。管内のある医療関係者は「鼻から綿棒で検体を取るにはかなり奥まで挿入しなければならず個人でやる際は注意が必要」としている。
(本田龍之介)