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「満寿屋方式」でフードロス削減 東京で「夜のパン屋さん」開店

初日から多くの人でにぎわう「夜のパン屋さん」

 【東京】ホームレスの人の自立を支援するため雑誌販売の仕事を提供する「ビッグイシュー日本」は16日、東京都神楽坂で「夜のパン屋さん」を始めた。複数のパン店の売れ残り商品を集め、夜間に販売。フードロス削減とホームレス生活再建の社会課題を、経済活動で解決する。企画したのは帯広の北村貴さん(グロッシー社長)で、アイデアの源泉は帯広のパン製造販売「満寿屋商店」だった。

 パン店は顧客の要望に応えようと豊富に商品を用意するため、売れ残りも出る。満寿屋は十勝管内の店舗で売れ残ったパンを帯広市中心部にある本店(西1南10)に集め、夜間に通常より安く販売している。

 この「満寿屋方式」に感銘を受けた北村さんは、多くのパンが売れ残り、夜間のパン購入需要が高い東京でこそ必要なビジネスモデルと考えた。複数の企業・団体に提案し、ビッグイシュー日本が関心を示した。

パン販売を支援する北村さん

 雑誌「ビッグイシュー日本版」はホームレスの人が路上で立って販売するため、高齢などの理由で働くことが難しい人もいる。ビッグイシュー日本東京事務所の佐野未来さんは「すぐにできる仕事の選択肢が複数あればいいと考えていた」と語る。

 夜のパン屋さんは、神楽坂駅前の書店「かもめブックス」の軒先に構え、木-土曜の午後7時半に開店する。現在は満寿屋東京本店や都内の人気パン店など8店舗から廃棄予定の売れ残り商品を安く仕入れ、ホームレスの人が商品運搬や販売を担う。

 初日は開店前に約50人が列をつくり、約1時間で完売した。北村さんは「多くの客が来てくれてうれしい。継続が重要で、路上生活者の自立に向けたステップになれば」と期待する。音更町の「toi」など協力パン店は増える予定で、キッチンカーや大阪での販売も検討している。

 現場を訪れた満寿屋の高濱千尋ブランドマネジャーは「帯広本店の深夜営業は、農家の努力で作ることができたパンを無駄にできないとの思いで始まった。農家への恩返しになり、東京でも広がってほしい」と話している。(池谷智仁)

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