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オランジュ跡で再出発 奥村さん、師の遺志を継いで仏料理店開店

オープンした店内で「渡辺シェフには今でも見守られている気がする」と話す奥村さん

 昨年6月に50歳で急逝した渡辺雄二さんがオーナーシェフを務めた帯広市内のフランス料理店「オランジュ」(西3南9)。渡辺さんのもとで働いた奥村彰教さん(53)が師の遺志を継ぎ、9月末、フランス料理店「メゾン・ド・ルミエール」として同所で再出発した。奥村さんは「今もシェフ(渡辺さん)が見守ってくれている気がする。くつろげる店にしたい」と話している。

 奥村さんは1967年岐阜県生まれ。大学時代に出会った妻の美香さんが帯広出身だったこともあり、帯広などでサラリーマンを経験した。幼少期から実家でおせち料理を作るなどし、30代半ばを過ぎた頃、料理への抑えがたい思いに再び火が付き、帯広調理師専門学校の門をたたいた。

 卒業後、縁あって幕別町内のホテル「オーベルジュ・コムニ」(当時)で飲食業界に入り、シェフを務めていた渡辺さんと出会った。

在りし日の渡辺さん。手にしているのは自身がレシピ作りに携わった書籍(2012年)

 奥村さんは、渡辺さんのオランジュ開業時(2007年)からマネジャーを務めた。師弟関係にありながら、固い信頼で結ばれていた2人。奥村さんは師から調理方法だけでなく、お客の立ち居振る舞いを見ながら味付けを変えるなどの心構えを学び、55歳の頃の独立を目指していた。

 昨年6月に渡辺さんが病気で亡くなり、店は閉店。奥村さんは「心に穴が空いたようで何もできなかった。シェフは自分にとっての料理の全てだった」と振り返る。昨年末に一念発起し、オランジュ跡での開業へ始動。周囲の協力もあり、コロナ禍の中でも9月末にオープンにこぎ着けた。

 店名はフランス語で「明かりの家」を意味する。奥村さんは「今でもオランジュのことを思い出して来てくださる方もいる。落ち着いてゆっくりと食事できる空間にしたい」と話す。ランチは前菜などメイン付きで1200円。ディナーは4500円と8000円のコースがあり、厳選したワイン約40種類をそろえた。

 日曜定休。ランチ(午前11時半~午後3時)は火・木・土曜のみ。ディナー(午後6時~同10時半)はコースのみ。ラストオーダーは閉店1時間前。問い合わせは(0155・67・0704)へ。(本田龍之介)

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  • 「渡辺シェフは自分の料理の知識の全て。今でも見守られている気がする」と話す奥村さん

    「渡辺シェフは自分の料理の知識の全て。今でも見守られている気がする」と話す奥村さん

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