アイヌ伝統の刀「エムシ」を製作 浦幌
【浦幌】アイヌ民族の儀式で使われる伝統の刀「エムシ」の柄とさやを作る初めての実践上級講座「木彫・エムシ製作教室」の最終回が11日、浦幌町内の厚内公民館で開かれた。
ラポロアイヌネイション(浦幌アイヌ協会から改称)と町立博物館が共催。エムシの製作技術を受け継ぐために開かれた。
同ネイションの会員10人が参加。7月2日から8月11日までの計12回の作業で製作した。上士幌アイヌ協会の清水勇会長が指導した。
エムシは、長さ約50センチの刀身に合わせ、スギの木で柄とさやを作り、モレウ(渦巻き)などのアイヌ文様を彫刻して仕上げた。完成したエムシは22、23の両日に行われる先祖の遺骨を埋葬するカムイノミ、イチャルパで帯刀する。
清水会長は「アイヌ文化の大切さを分かってもらえたと思う。教えがいがあった」とし、同ネイションの長根弘喜会長は「自分の手で自分らしいものを作りたいとの思いで取り組んだ」と話していた。(円子紳一通信員)