故郷のトムラウシで晴れ着撮影 新得
【新得】中学校卒業まで町トムラウシで育った後藤南月さん(23)と百葉さん(20)姉妹が7月25日、百葉さんの成人式の前撮りに合わせ、ふるさとで振り袖姿の撮影に臨んだ。多くの人たちの協力で実現し、地域住民も晴れ姿を祝福した。2人は「一生に一度の記念日になった。夢のような一日だった」と喜びをかみしめた。
南月さんは今春から母倍美さん(56)と共に、トムラウシの自然体験交流施設「山の交流館とむら」を切り盛りしている。百葉さんは昨年、帯広農業高校を卒業し、現在は音更の十勝川温泉第一ホテル調理課で働く。来春成人式を迎える百葉さんが前撮りを計画し、自身の成人式で振り袖を着る機会を逃した南月さんも一緒に撮影することにした。
倍美さんは長年親交があり、帯広市内で出張理美容サービスVESSを経営する長岡行子さん(49)に相談。障害や経済的理由などで振り袖を着られない人の支援に取り組んできた長岡さんが快諾した。取り組みに賛同する同市内のフジタスタジオの藤田徹さん(34)らスタッフが、着付けやヘアメーク、撮影を引き受けた。
当日は大人っぽい色合いの振り袖の南月さんに対し、初々しい華やかな装いに仕上がった百葉さん。互いに顔を見合わせ「自分でないみたい」とほほ笑んだ。
遊び場にしていた富村牛神社では木漏れ日がスポットライトのように2人を照らし、「最高のロケーション」とシャッターを切る藤田さんがポーズを指示。交流館前では集まった地域住民も一緒に写真に納まった。参加した富村牛小2年の野村咲太君(7)は「いつものお姉ちゃんがいい」と照れ笑いしていた。
倍美さんは「地域に育てられ、その場所で記念写真が撮れて感無量」と喜んだ。長岡さんは「これからもそれぞれの地域でがんばる人たちを応援したい」と話していた。(佐々木健通信員)