白樺学園と帯農へセンバツ旗授与式、両校ナイン夢の大舞台へ闘志高める
第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、兵庫県西宮市・阪神甲子園球場)に出場する白樺学園と帯農に27日、開会式の入場行進で主将が掲げる選抜旗が両校で授与された。本来なら両校共に体育館で全校生徒の前に立って行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて野球部員ら関係者のみの出席に縮小し、各校の会議室で行われた。
授与式は21世紀枠で出場する帯農(部員37人)から行われた。午前11時10分、校章が中央にあしらわれた紺色の旗が大会主催を主催する毎日新聞社の末次省三北海道支社長から二木浩志校長に、そして井村塁主将(2年)へと順に手渡された。また、同社から記念品のボールも贈呈された。
井村主将は「(先日見学した)甲子園は(十勝とは)気候が違うなど初めて経験することばかり。たくさんの準備をして臨みたい。目標でもある甲子園で勝つことを忘れずに頑張りたい」と話した。
午後0時40分からは白樺学園(部員33人)へ、部員18人が出席して行われた。緑色の選抜旗は末次支社長から嶋野幸也校長、業天汰成主将(2年)へと手渡された。業天主将は「全国制覇したスピードスケート部、アイスホッケー部と一緒に(全校生徒の前で)報告したかったがしょうがない」と話しながらも「やっと始まるんだなという思いがある。宮崎(キャンプ)ではいろんな課題が出たが最善の準備をしていきたい」と意気込んだ。
白樺学園は3月10日に十勝を出発し徳島県で練習、大阪府で練習試合2試合などを予定。帯農は3月6~9日に関東遠征を予定していたが、練習試合がなくなったため協議中。3月4日に話し合われる日本高野連運営委員会での開催方針を待って10日以降の予定も再構築する。(岡部彰広)
◆コロナ影響で練習試合中止、両校最善の準備へ努力
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、両校とも3月に組んでいた練習試合が中止になるなど、本番に向けた準備や計画が大幅に変わることになった。
白樺学園は甲子園入りに先立ち3月10~13日に徳島県入り。このうち11、12日に徳島県阿南市で3試合を行う予定だった。しかし同県教委の対外試合自粛要請に伴い、全試合が中止となった。
ただ遠征自体は、雨にも対応できる施設があるなど好条件が備わっていることもあり、変更はしない方針。戸出直樹監督も「練習試合はやれるに越したことはないが、かえってよかった」と前向きだ。本来なら3月にできていた学校のグラウンドでの練習が、雪のためめどが立たなくなったことで「向こうの土の上で2、3日練習し、大阪で試合をする流れの方がいい」と話した。
帯農は29日に予定していた北海道日本ハムファイターズの屋内練習場(札幌)での練習をキャンセル。また3月6日に関東遠征後、翌7日に日立一(茨城)、作新学院(栃木)とダブルヘッダーを予定していたが、前田康晴監督は「迷惑を掛ける」と相手方が混乱しないように中止を決めた。
9日からの関西入りも、日本高野連の運営委員会の結果をにらみながら計画を練り直す方針だ。前田監督は「主催者や高野連がいろいろ準備してくれている中、一生懸命練習することや睡眠、うがい、手洗いなど最善の準備をしたい」と話していた。