芽室産マッシュポテト入りの新規発酵種のパン開発 帯畜大と満寿屋商店
満寿屋商店(帯広市、杉山雅則社長)と帯広畜産大学(奥田潔学長)は28日、共同研究で芽室産マッシュポテトを加えた新規発酵種を使ったパン「トーストブレッド」を開発したと発表した。2年前の共同研究で披露した特許製法の発酵種「わさび種」を応用させたもので、種の仕上がりが通常より早く、もっちり感が増すのが特長。30日から同社麦音店で販売を始める。
今回開発を担当したのは、帯畜大修士課程2年の五嶋大介さん(25)=食品科学専攻=、満寿屋商店の佐々木駿介さん(24)と蛸井俊輔さん(30)。
今回は、わさび種にマッシュポテトなどを加えた発酵種を本生地に混ぜる。わさび種は小麦粉と水を加え発酵させる「ルヴァン種」製法を活用したもの。通常より乳酸菌量が大幅に増え、殺菌効果も高い。短時間で仕上げられる利点もある。
同社の一部パンでも採用されている。
今回、マッシュポテトを種に加えることで「詳細なエビデンス(根拠)はまだだが、グルテンが通常より強くなり、もっちり感が増すため、しっかりと膨らむ効果がある」と五嶋さん。新発酵種のほか、同じく共同研究で特許を取った「炊き種」も加えており、全体の特長としては「弾力性があり、そしゃく性が増し、飲み込みやすくなる」としている。
今回の開発テーマは「甘くない食パンを作る」。種の糖分はマッシュポテトのみで、通常材料の砂糖は加えていないという。小麦はハルキラリを使用。1斤270円。
両機関は定期的に共同研究を続けており、わさび種などを使ったライ麦パンなども開発している。(佐藤いづみ)