「究極のチーズ模索」 世界銅賞の共働学舎 新得
【新得】ワールドチーズアワード2019(10月、イタリア)で、カマンベールタイプの「笹ゆき」が銅賞のブロンズメダルを獲得した共働学舎新得農場(宮嶋望代表)。国産ナチュラルチーズの第一人者として結果に満足せず、「究極はハードタイプで世界最高の物を作りたい」(宮嶋代表)と高みを目指す。
「笹ゆき」はクマザサのパウダーを混ぜた塩を用い、仕上げにクマザサを巻いたチーズ。熟成が早く進み、臭みが少ないのが特長という。カマンベールタイプを担当する畠山楓さん(21)は同農場で働き始めて3年目で、「私自身は世界大会出品は初めてなのであまり実感はないが、ようやく世界で認められる物ができた。ただ、自信はあったので悔しい」と話す。
過去には世界最高賞を獲得したこともあり、本場欧州でも一目置かれる存在の同農場としても「もちろん悔しい」と宮嶋代表。同農場でチーズ作りを学んだ“弟子”たちが、今大会も含め国内外のコンテストで活躍していることに刺激を受ける。
同農場では昨年までに牛の餌を、欧州のハードタイプ向きの牛と同じ体系に切り替えた。宮嶋代表は「ミルクは良くなったが、それで欧州と同じ作り方をして自動的にチーズが良くなるわけではない。焦らずに、軟水の日本に合った作り方にアジャストしていく。今は新しいチャレンジの段階」と語る。(丹羽恭太)