出来秋 収穫最盛期 ビート順調 小豆平年並み期待
十勝農業の主要産品のビートと小豆の収穫が最盛期となり、管内の今季の農作業シーズンは終盤を迎えた。ビートの生育は順調で、今週末から順次、管内3製糖工場で原料の受け入れが始まる。小豆は生育が遅れたが、平年並みの確保が期待されている。
製糖所12日以降順次受け入れへ ビート
帯広市川西町の丸子弘一さん(62)は、ビートを移植・直播(ちょくはん)合わせて9ヘクタールで栽培。10日は午前7時ごろから親子2人で収穫を開始、掘り出したビートは次々と保管場所に運び込まれた。
丸子さんは「秋に雨が多かったが、例年並みの収量になるのでは。ビートにとっては良い年になりそう」と話した。
国内最大の処理能力を持つ日本甜菜製糖芽室製糖所は12日に操業を開始する予定。北海道糖業本別製糖所は15日から、ホクレン清水製糖工場は18日から受け入れを開始する。
十勝管内の昨年のビート作付面積は2万5065ヘクタール、生産量は168万4191トン。全道の4割超を占めている。(中島佑斗)
開始遅れるも「よく育った」 小豆
芽室町坂の上の中捨智也さん(48)は10日、エリモショウズの畑2・5ヘクタールで収穫をスタート。5、6月の雨不足や高温の影響などで生育が遅れ、刈り取り開始も1週間ほどずれこんだ。今年は同じ株でも成熟度の違うさやが混在しており、畑ごとの仕上がり具合や天候を見極めながら収穫の判断をしている。中捨さんは「干ばつだったことを考えると、よく育ってくれて収量は平年並みになった」と語る。
ホクレン帯広支所によると、管内の小豆の作付面積は今年、前年比で1割多い約1万4800ヘクタール。全道の7割を占める。収穫途中だが現時点で、作柄は平年並みの見通し。中捨さんも「3年前の台風や去年の不作があったけど、今年はおいしい小豆を届けられる」と話していた。(安田義教)