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サケ来遊 倍増見通し 定置網漁が30日に解禁

今年は来遊量が倍になると予測されている十勝沿岸の秋サケ(昨年の初水揚げ、大樹町内)

 十勝管内の沿岸漁業の主力、秋サケの定置網漁が30日に解禁される。道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場(恵庭市)は、十勝を含むえりも以東・西部地区の今年の秋サケ来遊量を、昨年実績比98・5%増の201万7000匹と予測している。今年は5歳の5年魚の資源量が持ち直し、前年から倍増する見通しだ。依然として10年前の半分程度という低水準は続いているが、ここ2年の極端な不漁から脱し、回復が期待されている。

 今年の定置網漁の解禁日は、陸地に近い陸(おか)網が30日、遠い沖網が9月1日。共に漁期は11月20日まで。前年と同じく大津11カ統、広尾8カ統、大樹6カ統に設置される。

 放流した稚魚はオホーツク海や北太平洋を回遊し、成熟したものが主に3~5年で戻って来る。来遊量予測は沿岸漁獲量と河川遡上(そじょう)量の合計で、前年に回帰した魚の年齢組成を基に行う。

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 同試験場によると、昨年の全道の来遊量は5年魚が非常に少なかった影響で、平成では2017年に次いで2番目に少なかった。一方で4年魚は過去10年平均と同程度かやや下回る程度の地区が多く、その分、今年は5年魚が平年並みとみられている。このため今年の全道の来遊量は昨年実績比32・5%増の3070万4000匹と予測した。

 えりも以東の西部地区や東部地区(釧路管内)は、他地区より増加率が高いと予測。同試験場は要因として、「稚魚が海に下った直後が一番減耗率が高い。その時の海水温の条件が良かった」(さけます資源部)と分析する。

 17、18年に戻った秋サケは、稚魚の時に海水温が低く、来遊量が激減した要因の一つに考えられている。今年の4年魚や5年魚は、稚魚の時の海水温が平年並みに戻っていた。

 えりも以東・西部地区の来遊量は17年に過去30年で最低となり、18年もそれに次ぐ2番目に低い水準だった。今年は持ち直しが予測されるが、それでも400万匹前後はあった10年近く前の半分、ピーク時(600万匹)と比べると3分の1の水準となっている。

 「もともとは秋サケがもっと来遊してくる地域。回復の兆しがあり、この傾向は続いてほしい」(同)と話している。(安田義教)

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