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難関のけん玉3段取得 十勝初の快挙、かみしほろキッズクラブの杉森さん

十勝で初めてけん玉3段の検定試験に合格し、笑顔の杉森さん

 【上士幌】「かみしほろけん玉キッズクラブ」に所属する杉森立平さん(12)=上士幌中学校1年=が、日本けん玉協会(東京)が認定するけん玉3段の検定試験に合格した。3段は道内でも取得者が数少ない難関資格で、十勝では杉森さんが初めて。「(20歳未満の)最高位5段を目指し、これからも技を磨きたい」とさらなる高みを見据えている。
 杉森さんがけん玉を始めたのは昨年3月。けん玉パフォーマンスコンビ「ず~まだんけ」のショーを見たのがきっかけ。

 スピード感や技の複雑さに魅了され、世界的プレーヤーの動画を見ながら独学で練習を重ねた。級位試験を飛び越え、わずか1年で初段を取得。その翌月には2段に合格した。段位保有者は同クラブでも杉森さんのみだ。

 段位の検定試験は難関だ。大皿と中皿に玉を交互に載せる「もしかめ」、決められた種目を制限時間内にこなす「タイム競技」、10種類以上の技を一つずつ行う「実技」に分かれ、各試験を連続して通過しなければならない。もしかめでも達成条件は最低200回で、1回でも皿から玉を落とせば不合格となる。

 3段を受験したのは今月15日。もしかめは、以前の試験時にすでに規定の500回以上に達していたため免除された。タイム競技は制限時間120秒中53秒と余裕で達成。実技も、10種類の技のうち最初の数種類は難なくこなした。

 試練が訪れたのは、大皿の縁とけん先の間に玉を載せる技「うぐいす」。玉を載せてもすぐ落としてしまい、3回連続で失敗した。杉森さんの前の受験者数人が不合格になったことが頭をよぎり、緊張で手が震えだしたのだ。

 失敗すれば次の試験は最低でも1カ月後。しかも会場は札幌。「上士幌から車で3時間以上かけて連れてきてくれた父親にぶざまな姿は見せられない」。自らを奮い立たせ、壁を乗り越えた。その後の種目は淡々とこなし、見事、一発合格を果たした。

 次の目標は4段合格。もしかめの達成条件は1000回と「めまいがするレベル」という。自己ベストは669回でまだまだ。さらに実技では、最難関の「すべり止め極意」という技も達成条件に加わる。

 上位の段位取得もさることながら、杉森さんはけん玉を始めたことで「人と話すことが増え、仲間もできた」と話す。

 将来は指導員の資格取得も見据えており、「けん玉を通じて地域をもっと元気にしたい」と意欲を燃やしている。
(安倍諒)

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