災害時に電源確保を LPガス発電機導入 CABIN帯広
プレミアホテル-CABIN-帯広(帯広市西1南11)が災害時の対応強化を目的に、LPガス発電機2台を導入した。通常業務で使用しているLPガスを燃料に発電する。災害時のパソコンや携帯電話の充電用電源として、宿泊者に利用してもらう。
スプリンクラーなど消防設備用のディーゼル式発電機は備えているが、パソコンなどの精密機械を充電する非常用電源が限られていた。胆振東部地震に伴う大規模停電の際、スマートフォンなどの充電で宿泊者に不便をかけていた。
本田技研工業(東京)と矢崎エナジーシステム(同)が共同開発した発電機で、イーネットワークシステムズ帯広営業所の提案で導入。LPガス容器とつなぐコードも設置した。
1台で900ワット発電し、LPガスの50キロ容器1本分で110時間の連続運転が可能。同ホテルではLPガスをレストランの調理などに使っており、満タンであれば、発電機を計990時間分稼働できる。機器は電気を安定して出力する「正弦波インバーター」を備えており、精密機械類への使用にも適している。
矢崎エナジーシステムの池田典陽さんによると、通常の発電機はガソリンや重油を動力とする機器が主流で、災害時は燃料が入手しづらくなる課題があった。導入機器はもともと配備されているLPガスを燃料に利用でき、発電機用の燃料を管理する必要もない。
同ホテルの山本悦尚総支配人は「携帯電話の充電などで電源が限られていた。今後の災害時に情報を得てもらう手段として生かしたい」と話している。(中島佑斗)