「採らない、食べない、人にあげない」 有毒植物の誤食を注意喚起 帯広保健所
本格的なレジャーシーズンが到来し、帯広保健所が有毒植物の誤食に関する注意を喚起している。昨年7月に帯広市内で80代女性がイヌサフランの球根をイモと間違えて食べて死亡するなど、春から夏にかけては誤食が相次ぐ。保健所は「食べられるか判断のつかない山菜などは『採らない、食べない、人にあげない』を徹底して」と強く呼び掛けている。
有毒植物の誤食は「スイセンとニラ」のケースなども起きており、道内では過去5年で9件、患者6人が死亡している。
昨年、帯広で発生したイヌサフランの誤食は、女性が自宅に生えていたイヌサフランを採取・調理して誤食したことで発生した。女性は有毒成分コルヒチンによる中毒で救急搬送されたが、死亡した。
イヌサフランはギョウジャニンニクとよく似た植物で、春の山菜採りの季節に誤食が起きやすい。ただ、保健所の塚本久美子生活衛生課長は「昨年の事例も踏まえると、春は葉っぱ、夏は球根に注意が必要」と話している。
保健所は3月までに食用植物と有毒植物を見分けられる「毒草ハンドブック」を改訂。同保健所・生活衛生課の入り口に用意し、無料で配布している。
塚本課長は「自分で採った山菜は食べないのが基本。それでも山菜採りに行く場合には、ハンドブックを活用して十分に注意して」と呼び掛けている。(奥野秀康)