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ALTのウィリアムさん退任へ 士幌

離任式で士幌の思い出を振り返るウィリアムさん

 【士幌】米国・フロリダ出身で町の外国語指導助手(ALT)のウィリアム・ストレイリーさん(32)が約9年の勤務を終え、20日で退任した。気さくな人柄や精力的な働きぶりが信頼を集め、ALTとして5年間の任期を終えた後は町教委の係長に登用され、教育計画の策定にも取り組んだ。「周りのすべての人に感謝の気持ちでいっぱい。ここで学んだことを次に生かしたい」と話している。23日に士幌を離れる。

 ウィリアムさんは米国人の父と日本人の母との間に生まれ、日本語は堪能。高校生の頃に沖縄県主催の研修ツアーに参加したことを機に、「日本で働きたい」と思うようになり、大学卒業後、語学指導を行う国の外国青年招致事業(JETプログラム)で士幌町に任用された。

 当初は「親戚や友人がいる沖縄県に行きたかった」というウィリアムさん。新千歳空港から士幌へ列車で向かう途中、窓の外の景色がいつまでも変わらないことに驚いたといい、「いつも見ているマックやスタバがないのがショックだった」と笑う。

 着任後は町内のこども園、小中学校、高校を回り、「子どもが楽しく学べるように」とユーモアも交えながら授業に取り組んだ。そんな気さくな人柄から「ウイリー」と親しみを込めて呼ばれるようになった。

 係長への登用後は、他町を巻き込んで英語研修合宿を合同で企画したり、町内のALTを統括する立場として部下の勤務管理も担当。2020年度からスタートする新学習指導要領の授業計画を策定するという大仕事も成し遂げた。

 当時、町教委で机を並べていた総務企画課の澤崎聖美さんは「書類に記載する言葉の使い方など、細かい部分まで熱心に勉強していた」と振り返る。堀江博文教育長も「子どもの学習意欲を引き出すのがうまく、いつも現場目線で町の英語教育について考えていた。極めて優秀なALTだった」と褒めたたえる。

 20日に町総合研修センターで離任式があり、ウィリアムさんが士幌での思い出を語った。終盤には「第二のふるさと士幌は…」と涙で声を詰まらせた後、「一生忘れません」と絞り出した。駆け付けた教職員や児童生徒ら約100人からはすすり泣く声も聞こえた。

 最近、子どもが生まれたことなどを機に古里に戻ろうと決意。今後は山梨県にある精密機器メーカーの米国支社で働く。父親の仕事の関係で幼い頃から転勤を繰り返していたというウィリアムさん。「士幌は人生で最も長く暮らした場所。いつか必ず恩返ししたい」と力を込める。(安倍諒)

関連写真

  • ウィリアムさんの離任式に駆け付けた町内の教職員や児童生徒たち

    ウィリアムさんの離任式に駆け付けた町内の教職員や児童生徒たち

  • 中学生から花束を手渡されたウイリアムさん(右)

    中学生から花束を手渡されたウイリアムさん(右)

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