大樹高の中村さん「将来はISTへ」 室工大合格で夢へ前進
【大樹】大樹高校3年生の中村祐太さん(18)が室蘭工業大学に合格した。将来の夢は、大樹町内でロケット開発を進めるインターステラテクノロジズ(IST、稲川貴大社長)への就職。「大学で多くのことを学び、将来はISTの皆さんと同じ土俵に立って、ロケット開発の力になりたい」と意欲に燃えている。
中村さんは広尾町出身で小学1年から大樹町へ。大樹小のころから流れ星やロケットに興味があり、町多目的航空公園の見学やペットボトルロケットの打ち上げなど町の宇宙のまちづくり事業を通じて、「宇宙への関心がより高まった」と振り返る。
高校入学前の春休みにISTを創業した堀江貴文さんの講演を聞き、その場で優しく対応してくれたIST社員の堀尾宗平さん(26)=室蘭工業大学OB=に誘われて同社を見学。そのうち、堀尾さんの指導を受けながら、長期休暇などを利用して作業を手伝うようになった。
高校1年で宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「スペーススクール」にも参加し、ロケット開発に携わることが将来の目標に。堀尾さんから「(室工大には)優秀な先生がそろっている」など学校の魅力を聞き、志望校として目指す気持ちが固まった。
ISTの社員からは「ナカユウ」の愛称で呼ばれ、親しまれている。昨年12月に推薦入試の合格が決まった際には、中村さんのツイッターにIST社員から「おめでとう」と多くの祝福コメントが寄せられた。
吉報を聞いた堀尾さんは「素直にうれしいし、これからが楽しみ。ISTに就職できるかはもちろん実力次第だが、ISTに通ってきた熱意や経験は大きなアドバンテージになると思う」と期待を寄せる。
進学するのは理工学部創造工学科。大学院まで進む考えで、在学中もISTの作業や開発を手伝う。
「大樹に住んでいなければ、ロケットに関心を持つことはなかった」と中村さん。「ISTの社員は笑顔で楽しそうに仕事をする印象がある。その中に加わって、宇宙のまち大樹を活気づけるお手伝いがしたい」と未来の青写真を描いている。(松村智裕)