SNS映えも意識 成人式控え前撮り佳境
来年1月に成人式を控え、帯広市内の呉服店や写真館では、晴れ着姿の前撮り(事前撮影)が佳境に入っている。近年はSNSの流行を受け、新成人らの写真へのこだわりもより強まる傾向にあるという。各店では、振り袖に加え髪形や小物にも幅広い選択肢を用意し、顧客の要望に応えるべく心を砕いている。
市内の京屋呉服店(宮本隆夫社長)では、帰省シーズンを中心に通年で前撮りを行う。宮本征和専務による帯広の自然を生かした屋外撮影に加え、昨年店舗内に開いたスタジオでの撮影も好評だ。新成人や家族の希望に寄り添おうと撮影は1日2組限定。年内は31日まで、年始は1月2日から予約が埋まっている。
今年度は、定番の赤の他、紺やオレンジの振り袖も人気。販売とレンタルを合わせ約600枚をそろえる。宮本専務は「SNSへの投稿も意識し、髪形などお客さま自身のイメージを伝えられることも増えた」とし、「人生の節目に、写真でいい思い出を残してほしい」と話す。
帯広出身で現在カナダにバレエ留学する石川ひなのさん(20)は25日、市内の母里香子さんと京屋に来店。祖母と母、親子3世代で選んだ紺の振り袖をまとい撮影し、「成人式出席のため学校の休みを延ばしてもらった。実際に着てみると全然違う」と笑顔を見せた。見守る里香子さんも「晴れ着姿を見られてうれしい」と目を細めた。
全国チェーンの三松帯広店(藤丸5階、石坂真彦店長)では、母親や親族の振り袖を仕立て直す「ママ振り」にも注力。新成人は、受け継いだ着物を帯締めや重ね襟など自身で選んだ小物と合わせ、個性を表現するという。既に来年、再来年度の予約受け付けも始めており、石坂店長は「年始の初売りからまた忙しくなりそう」と話していた。(長谷川正人)