師走スケッチ「新得町でそば作りピーク」
【新得】そばどころの新得町で、年越し・歳暮用のそば作りがたけなわだ。道内大手の新得物産(町基線104、清水輝男社長)では、製麺工場の乾燥室に見事な「そば簾(すだれ)」がお目見えし、年の瀬の風情を漂わせている。
年間生産量450トンのうち、3分の1が11、12月に集中するため、人員を増やして慌ただしく作業を進めている。つるされたそばは1本3メートルほどで、冷風低温の乾燥室内を24時間かけて移動する。ゆっくりと乾かすのは、風味を損なわないためだ。
麺は裁断して包装・箱詰め後、大みそかに向けて28日のぎりぎりまで、道内百貨店やスーパーなどに出荷が続く。この時期は、個人客からのインターネット注文も増えている。
夏の長雨や秋の収穫期を直撃した台風により、道産ソバの記録的不作が伝えられる中、新得産は例年通りの収量を確保。味・香りともに最高という。清水社長は「年越しは、おいしい新得そばを味わって」とPRしている。(小寺泰介)