帯畜大と敷島製パン連携協定 「パネトーネ」開発
帯広畜産大学(奥田潔学長)と「Pasco」のブランド名で知られる敷島製パン(名古屋市、盛田淳夫社長)は、包括連携協定に基づく共同研究で新規に取得した乳酸菌「ゆめちから乳酸菌」を使い、発酵菓子パン「パネトーネ」を開発した。敷島製パンが12月1日から販売、帯畜大でも同3日から限定販売する。
28日に帯畜大で記者会見が行われ、同大の山内宏昭教授、中村正准教授、敷島製パンから同大大学院に社会人留学中の猪股大祐研究員が説明した。
両者の包括連携協定は2012年、学術振興や十勝農業の発展などを目的に締結された。帯畜大内に製パン製造施設「とかち夢パン工房」を設置したり、同社の社員を大学側が社会人学生として受け入れるなどしてきた。
今回の新商品「パネトーネ」のもととなった「ゆめちから乳酸菌」は、道産小麦「ゆめちから」を調製した発酵種から数種の乳酸菌を分離し、その中から製パンに有用として選定したオリジナル有用菌株。従来の発酵種を使うより、軟らかい食感やマイルドな酸味が特徴としている。山内教授は「生地種から乳酸菌を分離する技術は昔からあるが、国産小麦からオリジナルの乳酸菌を分離したのは初めて」と強調した。
パネトーネはレーズンなどのドライフルーツが入ったイタリアの伝統的な発酵菓子パンで、クリスマスの定番菓子の一つ。今回新開発の商品は「ゆめちから乳酸菌」を使用したことで、軟らかさとしっとり感の長時間持続を実現した。猪股研究員は「ゆめちから乳酸菌の良さが味わえる利用方法として、最適な食品。クリスマスシーズンに楽しんでほしい」と話した。
12月1日から、道内ではPasco夢パン工房手稲店・野幌店の2店舗と、道外の一部スーパーなどで限定販売される。帯広では同3日から、畜大生協で限定100個を販売する。同大での販売価格は1個1080円。(藤島諒司)