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絵本の館「宇宙船みみ」が丸6年 月1回の開館で活動継続

「きょうの絵本は」-。軽妙な語り口で子どもたちを引き込む松嶋さん

 札幌市に住む松嶋珪子さん(80)が、帯広市内に絵本の館「宇宙船みみ」(緑ケ丘1条通)を開設して丸6年。毎週月曜日に松嶋さん自ら来帯して読み聞かせや貸し出しを行い、絵本を通じた地域交流の場としても親しまれてきた。80歳を迎えて区切りを付けることも考えたが、楽しみに待つ子どもたちの存在もあり、今月からは月1回の開館で活動を継続する。

 松嶋さんは大の絵本好きで、札幌市や北広島市などで長年、読み聞かせ活動に取り組んでいる。いつか自分自身の図書館を持ちたいと夢見ていたが、札幌では高額な費用が掛かることから断念。そんな折、親戚に会いに訪れた帯広を「駅前に立派な図書館があり、文化の香りがする」と一目で気に入り、2012年、74歳の時に緑丘小学校近くの土地を購入し一戸建てを新築した。

 月曜日の開館には、毎回約30人ほどの親子や子どもが訪れる。3月26日も入れ代わり立ち代わり玄関のチャイムが鳴り、読み聞かせに耳を傾けたり、貸し出しもしている本を選んだりする姿が見られた。

 館の名称の宇宙船「みみ」は、話をよく聞き、優しい目で見守るウサギのイメージからで、松嶋さん自身も「みみちゃん先生」と親しまれる。約2000冊あるという絵本の中から本を選び、この日は松嶋さんの読み聞かせとともに、東京から訪れた小倉真理子さん(46)が「うたのすきなねこ ララとルル」の物語に出てくる童謡を披露。子どもも一緒に歌い、和やかな雰囲気に包まれた。

 自宅のある札幌市から毎週列車で通い、80歳を区切りに活動を終えようと考えていたが、開館を月1回に縮小しても継続することを決めた。松嶋さんは「JRの車内ではいつも子どもたちの顔が浮かび、待っていると思うと力が出た」と振り返り、「子どもたちが絵本を好きになってくれたのが大きな誇り」と笑顔を見せる。

 幼い頃から同館に通う山越芽依さん(帯広花園小3年)はこの日、自作の手作り絵本を松嶋さんにプレゼント。「文を考えたり、絵を描くのが大変だった。小さい子に読んであげたい」と話した。小島みつ美さん(42)は娘の彩愛ちゃん(3)と訪れ、「温かい雰囲気で安心でき、ゆっくり読み聞かせできる」と感謝を伝えた。

 今月の開館日は19日の予定。(松田亜弓)

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  • 歌を交えた絵本で子どもたちを引き込む松嶋さん(左)

    歌を交えた絵本で子どもたちを引き込む松嶋さん(左)

  • 歌を交えた絵本で子どもたちを引き込む松嶋さん(左)

    歌を交えた絵本で子どもたちを引き込む松嶋さん(左)

  • 絵本の館「宇宙船みみ」が丸6年 月1回の開館で活動継続 4

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  • 絵本の館「宇宙船みみ」が丸6年 月1回の開館で活動継続 5

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