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小平金支えた石澤さんが大谷短大助手に 学内でスケート指導も

「学生の気持ちに寄り添い、自立をサポートしたい」と実習服姿で話す石澤さん(左)と田中学長(金野和彦撮影)

 【音更】平昌冬季五輪女子スピードスケート500メートルの金メダリスト小平奈緒選手(31)のアシスタントスタッフを務めた、スピードスケートの元五輪日本代表、石澤志穂さん(31)=駒大苫小牧高、中札内中出=が1日、帯広大谷短期大学(田中厚一学長)の生活科学科栄養士課程の教育助手として、新たなキャリアをスタートさせた。スケートでの経験を指導に生かしてもらおうと、短大では今年度、スピードスケート同好会を発足させる。石澤さんは「学生や選手の気持ちに寄り添い、自立をサポートしたい」と張り切っている。

 石澤さんは、女子中長距離のトップ選手として2010年バンクーバー、14年ソチの両冬季五輪に出場。14年春に現役を引退し、15年に帯広大谷短大に社会人枠で入学。17年春に卒業後、15年来の親友の小平選手のアシスタントスタッフになり、平昌五輪での小平選手の活躍を陰で支えた。

 1年ぶりに母校に戻った石澤さんは「わくわくしている。学生として教わる立場から伝える立場になったという責任感も強く感じている」と話す。3年間の実務経験を経て、管理栄養士の資格を取るのが当面の目標という。

 スケートの指導では「選手が自分で立てた目標に向かって自発的に動けるようなコーチングをしていきたい」と抱負を語る。十勝出身の有能な中高生スケート選手が卒業後に東京に流出する現状にも触れ、「才能がある選手がたくさんいる。地元十勝で競技生活を続けられる環境づくりの一端を担えれば」とも。

 世界のトップスケーターと二人三脚でメダルを取りに挑んだ1年間を振り返り、「(小平選手から)とにかく、いろんなものを吸収しようと必死だった。本人がベストの状態で滑れたことに満足。金メダルの喜びは今になってじわじわと感じている」と話す。

 「得るものがたくさんあった。(小平選手と一緒に取り組んだ)夢をかなえる秘訣(ひけつ)は、私にしか分からない強み。その経験を学生に伝えるのが、私に課せられた使命。スポーツだけでなく、どのカテゴリーにも共通するもの」と、気持ちを新たにする。

 早速同好会員を募集。経験の有無は問わない。短大では学内にトレーニングマシンを備えたトレーニングルームを新設し、石澤さんをサポートする。学内で体育系の本格的な同好会が発足するのは初めて。1年間の活動後に部に昇格する計画。

 石澤さんの教育助手起用を契機に、短大では1日から明治北海道十勝オーバルの広告協賛(施設内の看板表示)も始めた。

 田中学長は「十勝の重要なテーマである食に取り組む栄養士として、またスケートの指導者として、将来は短大の中心的な教員に育ってほしい」とエールを送っている。
(鈴木裕之)

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