IST衛星ロケットの心臓部 完成
【大樹】インターステラテクノロジズ(大樹、稲川貴大社長)は22日、町浜大樹の実験場で、人工衛星を軌道に投入するロケットの「心臓部」に当たる「ターボポンプ」の実験を成功させた。
同社は小型人工衛星の打ち上げ事業の商業化を目指す。今春打ち上げ予定の高度100キロの宇宙空間を目指す観測ロケット2号機と並行して、衛星打ち上げ機も開発している。
ターボポンプは小型のロケットエンジンと同様の仕組みで発生させた燃焼ガスでタービンを回し、ポンプを作動させ、推進用のエンジンに燃料を供給する装置。衛星の軌道投入機では、観測ロケットに比べ燃料を高圧で送る必要があり、その役割を担うターボポンプはロケットの「心臓部」とも呼ばれる。
経済産業省の委託事業を活用して2年前から開発に着手。ガス発生機の技術は観測ロケットの姿勢制御装置にも生かされるなど、相乗効果も出ている。
22日は、これまで別々に実験してきたガス発生機、タービンを接続し、燃焼試験を行った。航空用のジェット燃料を使って3秒間の作動に成功し、1分間に2万回転の目標値を達成した。今後改良を進め、機体やエンジンの設計・開発を経て、機体の完成は2020年を目指す。
担当したエンジニアの金井竜一朗さん(30)は「ターボポンプはエンジンより難しい部分なので、先行して開発を進めてきた。衛星投入機に向けて大きく前進できた」と話した。(眞尾敦)
◆インターステラテクノロジズについて
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