アイスホッケー女子代表近藤、悔しさ忘れず4年後へ 平昌五輪
【韓国・江陵(カンヌン)】帯広市出身の女子アイスホッケー日本代表、スマイルジャパンの近藤真衣選手(25)=フルタイムシステム御影グレッズ=は、最終戦となった20日のスイス戦でベンチ入りがならなかった。初の五輪の舞台は5試合で出場機会はなし。ソチ五輪以降の充実した日々への感謝とともに、悔しさも湧き出る。「次のオリンピックでは氷上に立ち活躍を」と誓った。(北雅貴)
近藤選手は3歳からホッケーを始めた。ぜんそくのため、それほど動かずに済むゴールキーパー(GK)に。江陵高校で介護を学ぶうちに食事の大切さを感じ、帯広大谷短大卒業後は栄養士として市内の病院に1年間勤務した。
2014年に御影グレッズのスポンサーになっているフルタイムシステム(東京)に採用されたのを機に病院を辞め、清水町御影のアイスアリーナで勤務。ホッケーに集中できる環境となり、「本気で五輪を目指せる」と強い意識を持つようになったという。同年に初めて日本代表合宿に呼ばれ、15年秋から定着した。
この4年間はアイスホッケーに打ち込んできた。何をするのにもホッケー優先。休日も常に競技を意識した。代表での試合出場の機会を増やそうと、清水高校や社会人の男子チームと数え切れないほど練習に参加した。
時間を見つけては筋力トレーニングで汗を流し、食事で体も大きくした。中学で帯広選抜にも選ばれたこともある趣味のバスケットボールをする際も、捻挫などのけがに細心の注意を払った。「違う筋肉も使うからホッケーにも役立つかな」と考えたりもした。
日本代表のGKの登録は3人で、試合でのベンチ入りは2人だ。日本代表には正GKに藤本那菜選手(28)=Vortex Sapporo=が君臨し、2番手を小西あかね選手(23)=西武=と争う構図が続いた。今五輪はベンチ入りは1試合にとどまり、観客席で試合の映像を録画するサポート役に回った。五輪の観客の多さに驚き、特別な舞台だと感じた。世界のトップ選手の真剣勝負も間近で見られ、「今後はイメージして取り組める。絶対に役に立つ」と前向きだ。
GKは自身のプレーが試合の結果を左右する重要な役割。周囲の協力に感謝しつつ、世界に通用するゴールキーパーへの道を歩み出す覚悟を、この日持った。