帯畜大の検査、ISO取得 農業系大学で国内初めて
試験所の能力を国際的に証明する規格「ISO17025」認定を、食品・生物系分野の2施設4項目で取得した帯広畜産大学の奥田潔学長が28日、同大で会見し、「食品安全と感染症検査の国際通用力強化につながる。食を支え、暮らしを守る人材を育成していきたい」と語った。
ISO認定を取得したのは、動物・食品検査診断センターの食中毒検査と、原虫病研究センターが行う3種類の原虫病診断検査。同ISOの取得は、国内農学系大学で初。
今年度に入り本格的に取り組み、組織のマネジメントシステムや検査技術のマニュアルなどを整備した。井上昇理事・副学長は「世界レベルで通用する検査ができる。教育や研究に還元し、地域にも貢献していく」と強調した。今後は、分析方法に関する勉強会やセミナー開催などで同大のノウハウを提供し、ISO認定取得を目指す研究機関や企業を支援する考え。
動物・食品検査診断センターは食の安全性確保に向けた教育研究、学内検査拠点として設立。同大は世界で通用する獣医師輩出に向け共同獣医学課程での国際認証取得を目指しており、ISO取得はその追い風になる。原虫病研究センターは、国際獣疫事務局(OIE)の「リファレンスラボラトリー」(指定検査・研究機関)に認定されている。今回のISO取得は、OIEからの要請があった。
同大は、乳製品工場の製造工程で食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」を取得するなど、国際安全基準を満たした施設を整備している。(池谷智仁)
<ISO17025>
試験所が正確な測定結果を生み出す能力があるか、第三者機関が認定する規格。製品検査や分析・測定などを行う試験所に対し、手順の文書化が明確かなどの要求事項を定め、審査する。認定を受けた組織は、信頼性や技術力向上などが期待できる。
試験所が正確な測定結果を生み出す能力があるか、第三者機関が認定する規格。製品検査や分析・測定などを行う試験所に対し、手順の文書化が明確かなどの要求事項を定め、審査する。認定を受けた組織は、信頼性や技術力向上などが期待できる。