初の個展「仲間に感謝」 統合失調症と闘う帯広の海谷さん
カラフル空想世界
帯広市内に住み、統合失調症で闘病中の海谷公二さん(60)が5月10~23日に、市民活動交流センター(藤丸8階)でアクリル画展を開く。友人の支援を受けて初の個展を開く海谷さんは「絵を描くことは生きがい。私1人ではできなかったことなので仲間に感謝したい」と話している。
空中に浮かぶドームやそびえ立つカラフルなタワー、チューブの中を走るエアバス-。海谷さんは自由に空想し、頭に浮かんだ画像をアクリル絵の具で色鮮やかに描いていく。「学生時代から絵が好きでした」と笑顔がこぼれる。
海谷さんは北見市出身。北見工業高を卒業して上京。陸上自衛隊やディズニーランドでのタップダンサーなど数々の職を転々とする中、36歳で精神疾患を患った。
その後、兄のいる帯広市に移り、大江病院で約6年入院。42歳で退院し、現在はNPO法人十勝障害者サポートネット(小栗静雄理事長)が運営するグループホームに住み、闘病の傍ら絵を楽しんでいる。
初の個展は、同じグループホームに住む梶澤孝浩さん(50)や同じく大江病院に通院する佐藤文朗さん(45)ら友人3人が「絵の得意な海谷さんの個展を開こう」と企画し準備を進めてきた。「海谷さんは手続きなどが苦手なので僕らが担当する」と梶澤さん。佐藤さんは「作品を見て感銘を受けた。多くの人に見てほしい」と話す。同病院の大江徹理事長も楽しみにしているという。
作品は30号ほどの大作を含め、この6年ほどで描きためた25点を展示する予定。「僕の絵は子どものころの落書きの延長。複雑なことを考えず、見た方に楽しんでもらいたい」と開催を心待ちにしている。(松村智裕)