ハルキストがっかり 道内に新作届かず
世界的なベストセラー作家、村上春樹さん(68)の4年ぶりの長編小説「騎士団長殺し」(全2冊、新潮社)が24日に全国発売されたが、道内ではJR室蘭線の貨物列車脱線事故の影響で本が届かず、発売は延期された。店頭に並ぶのは25日以降。この日を待ち焦がれていた“ハルキスト”からは「やれやれ」と嘆く声が聞こえてきそうだ。
同作の発行部数は第1部「顕(あらわ)れるイデア編」が70万部、第2部「遷(うつ)ろうメタファー編」が60万部で、すでにミリオンセラーが決定している。複数巻にまたがる長編は「1Q84」以来7年ぶり。
岡書帯広イーストモール店(東4南16、渡辺優樹店長)では既刊を集めたコーナーに「入荷遅延」を掲示。上巻75冊、下巻63冊を入荷し、特設ブースで販売する予定だっただけに「非常に残念。プレミアムフライデーにゆっくり読んでもらいたかった」と書籍担当の大竹知幸さん(38)。
喜久屋書店帯広店(長崎屋帯広店4階、飯田琢磨店長)は上下巻各100冊以上を入荷予定だった。この日は購入目的で訪れた人がいたといい、同店社員の平田拓也さん(38)は「せっかく足を運んでもらったのに申し訳ない」と話していた。
全国では発売開始の24日午前0時にイベントが開かれるなど、深夜の書店に熱心なファンが列を作った。(松村智裕)
◆「騎士団長殺し」について
・村上春樹氏最新の長編小説-新潮社公式ホームページ