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平均81歳 デイサービスさくらの利用者 ヒップホップに挑戦

さくらリサイタルでヒップホップダンスを初披露する高齢者

 目標はラスベガス-。帯広市内の社会参加型デイサービスさくら(西16南5、久保陽一施設長)で、高齢者がリハビリの一環としてヒップホップダンスに取り組んでいる。帯広のダンス教室「DANCE STUDIO FUSION」の堂前幹治代表をプロデューサーに、平均年齢81歳のダンサーたちが3年後の世界大会(米ラスベガス)出場を本気で目指している。

 久保施設長がニュージーランドのドキュメンタリー映画「はじまりはヒップホップ」を見たことがきっかけ。平均年齢83歳でギネスブックに認定された高齢ダンスグループがラスベガスでの世界大会に参加し、感動を呼んだ姿に「登場人物はごく普通のお年寄り。十勝でもできる」(久保施設長)と、11月からプロジェクトがスタートした。

 堂前代表が施設職員にダンスを教え、学んだ職員がさくらの利用者に伝えている。60代から90代までの高齢者約60人が週に1~3回程度、練習する。最終的には、この中から10~20人をラスベガスに派遣したいという。

 堂前代表は「高齢者施設で僕たちがダンスを教えることは皆無だった。しかも終着点がラスベガスなのがすごい。今回のような取り組みは全道でも初めてと思う」とし、「ダンスを楽しみながら上手になってほしい」と期待している。

 さくらでヒップホッププロジェクト推進担当を務める中村朋子さんは「杖で歩いた高齢者が踊れるようになった。認知症予防にもつながり、体と心が元気になります」と話す。

 練習の成果は19日から24日まで、さくらで初めて披露された。利用者が特技などを披露する「さくらリサイタル」に出演。初日の6人組は「元気」と書かれたTシャツに金や銀のパーカーを着て登場し、ソウルミュージックに合わせて踊った。今はまだ簡単なステップしか踏めないが、90歳の牛来(ごらい)テルイさんは「楽しかった。目標は大きくラスベガスだから」と笑顔を見せた。

 おびひろ市民芸術祭への出演や各地の慰問なども検討。久保施設長は「この施設だけでなく、地域の高齢者も巻き込みたい。まちぐるみで高齢者とダンスを盛り上げ、社会全体が元気になれば」と意気込む。さくらではダンスインストラクターも募集中。問い合わせはさくら(0155・38・2555)へ。(松村智裕)


◆「はじまりはヒップホップ」について
参考にした映画の公式サイト(予告編動画あり)-「はじまりはヒップホップ」オフィシャルサイト

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