火災警報器設置を 住警レンジャーが呼び掛け
31日まで「年末焼死事故防止運動」
住宅用火災警報器(住警器)の設置促進をPRする帯広消防署員によるヒーロー「住警レンジャー」は結成から7年目を迎え、イベントなどで子供たちの防火教育に一役買っている。設置義務化(2006年)から丸10年たった住警器の帯広市の設置率は全国平均を下回っているのが現状。年末の繁忙期は不注意による火災が増えることから、同消防署は31日までを「年末焼死事故防止運動」とし防火意識の向上を呼び掛けている。(高津祐也)
「火遊びなんか許さない」「火事は絶対起こさせない」「火の扱いには気を付けて」-。「俺たち、お知らせ戦隊 住警レンジャー!」。10月下旬に同消防署で行われた「消防ふれあいフェス」。悪役を倒した後のヒーローたちの決めポーズに、子どもたちの歓声が上がった。その後、防災ゲーム「ぼうさいダック」が行われ、子供たちは元気に声を出したり、災害時の対応を学んだ。
住警レンジャーがお披露目されたのは2010年。市内の幼稚園や保育園でつくる「幼年消防クラブ」に配布された「ぼうさいダック」の使い方を教えるためだ。初代レッドを務め、当時、各幼稚園を巡回した奥山佳司さん(40)=指導課=は「子どもがーローの動きをまねして、楽しみながら災害時の動きを身に付けていた」と振り返る。
その後、ブルー、イエローを加えて3人組となったレンジャーは、ショー形式のステージも披露するように。お笑いなど旬のネタを交えたショーは子どもたちの心をつかんだ。
一方で“本業”の住警器設置率向上の成果は芳しくなく、帯広市の設置率(今年6月現在)は67・3%と全国平均の81・2%を大きく下回る。
同消防署によると、住警器が音を発し火災を家人に伝えることで「逃げ遅れ」を防ぎ、被害を最小限に抑えた事例も多い。市内で08年以降に発生した住宅火災で、住警器が設置された家での死者は1人も出ていない。現在、4代目レッドとして奮闘する平子裕基さん(34)=同=は「住警器の効果は絶大。子どもだけでなく、親にも大切さを知ってもらえるよう、今後も呼び掛けたい」と話す。
十勝管内では今年、火災による死者数が前年と比べて増加。11月末までの火災発生件数は161件(前年同期比11件減)で、死者数は6人(同5人増)、負傷者数は22人(同9人増)となっている。(高津祐也)
◆住警レンジャーについて
・「住警レンジャー」の紹介投稿(写真あり)-帯広市公式Facebook