復興祈念の気球 空へ 上士幌町、阿蘇で係留
フェス通じ縁
【上士幌】熊本地震の被災地支援として町は11月26日、熊本県阿蘇市で地域住民を対象としたバルーンの係留を行った。熊本とは長年、町内で8月に開催されているバルーンフェスティバルで縁があり、ふるさと納税の寄付も多くあることから、恩返しの意味も込めて実施した。
今年度町が実施している被災地支援策の一環。6月には竹中貢町長が熊本県庁を訪れ、義援金600万円を寄付した。それに続く事業で、今年製作した町のイメージキャラクター「ほろんちゃん」をデザインした熱気球を飛ばした。
阿蘇温泉観光旅館協同組合と阿蘇市観光協会が主催し「阿蘇市復興祈念バルーン体験搭乗会」と銘打ったイベントで、バルーンフェスティバルに20年以上関わっている県在住の龍野幸敏さん、広田明さんの協力で実現。上士幌町と九州の各県から13チームが集まった。2会場で実施し、6機を係留し、うち3機はフリーフライトも行った。
この日、地域住民は延べ400人集まり、ほろんちゃん号には約150人が搭乗した。かわいらしい特徴あるデザインのため、子どもたちから人気を集めた。会場は阿蘇山の火山活動によってできたカルデラのため、参加者は360度山に囲まれた絶景を楽しんだ。
町は搭乗した人にほろんちゃんのキーホルダーをプレゼントし、広田さんが作ったほろんちゃんの「搭乗証明書」も配られた。ほろんちゃんの着ぐるみも姿を見せた。
地震発生の4月以降、県内では自粛ムードが漂っていたため、バルーン関係のイベントはこれが初めて。関係者からは「これを機にパイロットのトレーニングなどしていきたい」という声が挙がり、町は「バルーンの活動も少しずつ再開し、熊本にも元気になってもらえれば」(商工観光課)としている。(川野遼介)