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十勝初の「看多機」11月に開設 介護事業所に併設 博愛会

十勝初となる事業所開設へ意欲を見せる遠藤総合管理者、能手管理者(前列左から)らスタッフ

 医療法人社団博愛会(細川吉博理事長)は11月1日、十勝では初めてとなる看護小規模多機能型居宅介護(略称・看多機)のサービスを開始する。従来から運営する帯広市内の小規模多機能型居宅介護事業所に、訪問看護ステーションを新たに併設する全国的にも珍しいスタイル。「医療の必要性が高い人も含め、さらに行き届いた支援ができる」としている。

 看多機では、小規模多機能では対応できなかった医療サービスを行うことが可能となる。利用者の要介護度と医療の必要度が進んでも、病院ではなく住み慣れた自宅で生活できるのが特徴。地域包括ケアの概念に合致することから、国が設置を促進している。

 博愛会は2008年11月に、管内では他に先駆けた小規模多機能として「あんさんぶる開西」(帯広市西23南3、能手秀之管理者)を開設。ただ、近年はグループホームや特別養護老人ホームなどを含めた「複合型」が主流のため、新たなサービス提供策として看多機への移行を決めた。今年8月中旬から1カ月ほどかけて2階を増築し、新たに「訪問看護ステーションかいせい」として、訪問看護を行う6人の看護師が在籍する拠点とした。

 また、同じく小規模多機能の「あんさんぶる川北」(西14北2、石原岳管理者)を「開西」のサテライトに位置付け、利用者や職員の行き来を可能に。医療の“恩恵”を受けられるように配慮した。

 看多機の先進地・島根県の施設を見学し参考にしたという同法人の荒浩美地域総合支援センター副部長は「既存の施設のサービスを少しずつ増やす形で看多機が実現できた」とする。あんさんぶる開西、訪問看護ステーションかいせいの両事業所の総合管理者を務める看護師の遠藤美保子さんは「開西病院も含め、連携を密にしてニーズに応えたい」と話している。

 かいせいは通常の訪問看護ステーションとして、要介護者以外の幅広い世代にも対応する。問い合わせは電話0155・58・2000(あんさんぶる開西)か、0155・67・8553(かいせい)へ。(松村智裕)

<看護小規模多機能型居宅介護>
 小規模多機能で行われる訪問介護、通所、宿泊の各サービスに、新たに訪問看護が加わり、一体的に提供する。厚労省によると、今年4月末までに道内で29、全国で294の事業所が設置されている。帯広では社会福祉法人刀圭会(長谷川賢理事長)が来年3月、市内西16北1に開設する予定。

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