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国道273号三国峠が通行再開 1カ月半ぶり往来

約1カ月半ぶりに通行止めが解除され峠を通る観光バス(30日午後2時すぎ、三国峠トンネル付近。金野和彦撮影)

 【上士幌】台風被害で不通となっていた三国峠を含む国道273号上士幌町三股-上川管内上川町層雲峡間(15・2キロ)は9月30日午後2時、通行止めが解除された。約1カ月半ぶりに峠を車が行き交い、地元の観光関係者は「紅葉シーズンに間に合った」と喜んだ。

 解除の時間には、三国峠トンネルの上士幌町側ゲート付近に車9台が列をつくり、近くの駐車帯にも約10台が並んだ。午後2時にゲートが開いた後は、車やオートバイ、観光バスなどが次々に上川方面に向かった。

 十勝と上川を結ぶ同国道は、台風7号から続く大雨で、上川町層雲峡の高原大橋(長さ125メートル)が石狩川の増水で被害を受け、8月20日から通行止めしていた。道開発局が復旧工事を進め、同橋の下流に仮橋を設けた。当初は10月上旬の開通予定だったが、順調に工事が進んで、9月30日から通行できることになった。

 道東周遊のツアー客を乗せたドリーム観光バス(札幌市)の運転士堀田豊吉さん(67)は「層雲峡から阿寒湖に行くのに石北峠経由を考えていたが、三国が、ちょうどいいタイミングで開通してよかった」と話した。

 同トンネル近くの三国峠cafeには、バスが駐車帯に止まるごとに客が訪れた。この時期は一番の書き入れ時だが再開前は1日10人程度の来客だったといい、店主の武田昇生さん(44)は「この日を待っていた。10月上旬までは紅葉の時期なのでたくさんの人に来てほしい」とPRした。

 紅葉シーズン本番前の開通に、ぬかびら源泉郷旅館組合の蟹谷吉弘組合長は「9月中に何とか開通することができて、関係機関に大変感謝している。ここからがスタートだという気持ちでお客さんに喜んでもらえるような温泉地をつくっていきたい」と話した。(安田義教、川野遼介)

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