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採卵用サケ8割減 増水で漁具使えず 増殖事業協会

ウライ流出で捕獲に適した時期を逃し、採卵用に向かなくなった秋サケを選別する広尾ふ化場関係者

 十勝釧路管内さけ・ます増殖事業協会(会長・亀田元教広尾漁協組合長)が行っている採卵用秋サケの捕獲が思うように進んでいない。度重なる台風で河川が増水したことが影響しており、関係者は放流する稚魚の確保や、稚魚が成長して戻ってくる4、5年後の漁獲を心配している。

 同協会は十勝管内では、例年8月中ごろから猿別川、十勝川、広尾川で秋サケを捕獲し、卵を授精させて稚魚まで育て、翌年3~5月に放流している。今年は8月18日から捕獲を始めたが、8日までで昨年比2割弱の4万匹ほどしか獲れていない。

 原因は台風による増水で、猿別川では水位が、捕獲するための漁具「ウライ」を超えたため、魚がかからなくなっている。十勝川では泥が堆積しタモを入れられず、広尾川では台風10号による大雨でウライが流出した。

 捕獲開始から10月20日までの前期、10月20日から11月10日までの中期が捕獲数の多くを占めるため、この時期に計画通り確保できなければ、全体の捕獲数に影響を与える。今年は15万匹を捕獲する計画だが、増水した状態が続くようであれば、達成できない恐れもあり、将来の秋サケ回帰、定置網漁の漁獲が心配されている。

 広尾ふ化場では9日、ウライが流出したために、魚が上流まで遡上、その間に卵が成熟しすぎて採卵用としては向かなくなった親魚の選別が行われた。広尾は8日までで昨年比6割の1万2000匹の捕獲にとどまっている。今後再度ウライを設置するが、関係者は「計画には届かないかもしれない。4、5年後が心配」と話していた。(伊藤亮太)

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  • 9日に広尾を訪れた自民党の調査団に被害状況を説明する亀田会長

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