海上渡御、21日復活 創建350年の十勝神社
【広尾】十勝神社は今年神社創建350年を迎えたのを機に、20~22日の秋季例祭で、船でみこしを運ぶ「海上渡御」を行う。30年ほど前に実施して以来で、みこしを乗せた船を含め計16隻の漁船が大漁旗をはためかせて広尾の海を航行する。
同神社は十勝最古の神社。松前藩士の蠣崎広林(かきざき・ひろしげ)が、前身の十勝明神社に江戸時代の僧侶円空上人が彫った仏像を奉納したとされる1666年を創建の年としている。
秋季例祭は海の恵みや五穀豊穣(ほうじょう)に感謝する催し。宵宮賽(さい)、本祭、報賽祭と行い、本祭では、神に氏子の生活ぶりを見てもらうため、十勝神社御輿(みこし)会(武藤敏行組頭)の50~60人がみこしを担いで町内を練り歩く。海上渡御は神社の節目の年に行っており、創建300年のときや、30年ほど前にも行った。
今年、本祭の21日は午前8時45分ごろにみこしが十勝神社を出発。丸山通や町国民健康保険病院前、町役場前などを通り、午後0時半ごろ十勝港の漁港区から船にみこしを乗せ、南方向のルベシベツまでの約10キロを1時間半かけて往復する。同3時ごろには帰港し、本通は同3時40分ごろに練り歩きく。同4時50分に神社に戻る予定。
海上渡御は広尾漁協(亀田元教組合長)の協力を得て、漁船16隻が大漁祈願と海上の安全を祈りながら航行する。加藤紀夫宮司(65)は「海上渡御はめったに行わないことなので、見に来てもらいたい」と話している。
十勝神社御輿会は9月からみこしを担ぐ人を募集している。問い合わせは丸道東車輌の工業斉藤博社長(01558・2・4484)へ。(伊藤亮太)