台風で流された? 足寄でウミツバメ保護
台風で沖合から流され、十勝内陸部に迷い込んだとみられる海鳥が、帯広畜産大学で一時保護されている。当初は衰弱していたが、羽ばたくまでに回復し、来週には放鳥できる見込み。
保護されたのは、黒色の体と腰部分の白色が特長の「コシジロウミツバメ」。釧路沖合などに生息し、十勝で見る機会はまれという。18日に足寄町内の避難所で保護された。17日に北海道に上陸した台風7号の影響とみられ、十勝総合振興局を通じ、野生動物に詳しい同大の栁川久理事・副学長が保護した。
体長約15センチの成鳥で、保護当時は全身を打撲し、翼を広げることができなかった。イカやサンマの切り身を与えるなど看病すると、23日ごろから羽ばたき始め、洗面台にためた水の中を泳ぐまでに回復した。
約20年前も同様の理由でウミツバメを保護したが、衰弱が激しく助けることができなかった栁川副学長は「あの時の経験を役立て、自然界に戻してあげたい」と話す。(池谷智仁)