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作曲家・伊福部昭氏の人生を絵本に 音更

初出版した絵本「作家『伊福部昭』物語」を手にする会員。前列右から2人目が根本代表。後列左が吉田さん、同中央が青山さん

 【音更】音更町郷土史絵本の会(根本静香代表、会員7人)は、音更ゆかりの作曲家伊福部昭氏(1914~2006年)の生涯を描いた絵本「作曲家『伊福部昭』物語」を出版した。同会初の自費出版。根本代表は「世界に名をはせた作曲家が音更に住んでいたことを知ってほしい」と話している。

 同会は音更の歴史を子どもからお年寄りまで幅広い世代に分かりやすく伝えようと、町史などを題材に2013年から手作りで絵本を製作している。10作品目となる絵本のテーマに取り上げたのは、映画「ゴジラ」の楽曲などで知られる伊福部氏。絵本原画を町図書館で昨年8月に展示した。

 今年は伊福部氏の没後10年を迎え、8月に同会が携わる記念事業も控えていることから、会員間で「事業支援という名目で原画を絵本にして出版しよう」と計30万円を共同出資した。その際に原画のイラストを一部差し替えた他、より真実に基づくために伊福部氏の長女玲さんによる校正も経て、6月26日に出版に至った。

 絵本は伊福部氏が幼少期から大作曲家として大成するまでを32ページにわたり、水彩画の繊細なタッチと、小学校高学年を意識した読みやすい文章を添えてストーリー仕立てに紹介。

 元町図書館長として同館に「伊福部昭音楽資料室」の開設に尽力した青山昌弘さんが提供した資料も参考に、「アイヌ独特の音楽に触れた」「同級生の家で聞いた各地の民謡」など、音更での原体験が創作活動に影響を与えたと読み取れる記述が丁寧に触れられている。

 同館で16~21日に開かれる「第4回郷土史絵本原画展」で絵本原画を披露する他、20日には玲さんを交えた「伊福部昭没後10年特別講演会」での講演に先立って絵本の読み聞かせを行う。根本代表は「会場内では次回作品の出版も見据えてカンパを行う予定。皆さんのご協力をお願いします」と呼び掛けている。

 1000部発行。書店などでの一般販売はしていないが、会員の個人宅で1冊500円で取り扱っている。希望者は吉田勝之さん(0155・42・3235)へ。(小縣大輝)

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