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自転車事故防げ 南商放送局が啓発動画制作

高校生の自転車事故をテーマに啓発用動画を作った帯広南商業高放送局の局員。前列左が伊藤さん、後列左が山崎さん

 高校生の自転車マナー向上に向け、帯広南商業高校放送局(畑山友希局長、局員14人)が啓発用の動画を制作した。最初の作業として取り組んだアンケートで生徒の交通事故への意識の低さを知り、映像では実際に事故に巻き込まれた高校生の声も取り上げた。「自分たちが事故を減らすという意識が大切」。制作に携わった局員たちはこう実感し、今後、生徒に呼び掛けていく考えだ。

 動画はいずれも2年生局員の山崎瑞季さん(16)と伊藤あゆさん(16)が中心となり、NHK杯全国高校放送コンテスト十勝地区大会(5月15日・とかちプラザ)の出品作として制作した。昨年6月1日施行の改正道交法など自転車運転の取り締まりが厳格化される中、「高校生の事故の現状を知りたい」と、帯広署の協力の下、この春から取材活動に入った。

 初めに同校の2年生200人に行ったアンケートでは、21人が「(自転車で)事故を起こした、または事故に遭ったことがある」と答え、その全員が「事故の恐ろしさを知っている」と回答。「実際に事故を経験した人は、マナーを守り、交通安全の意識が高い」との結論に至った。

 これを受け、昨年、実際に自動車との衝突事故に遭った市内の別の高校の女子生徒にもインタビュー。幸い、軽傷で済んだが、映像には生徒が顔や首に負った痛々しい傷跡の写真も収めた。この生徒は「自分は絶対に事故に遭わないと思っていた」とした上で、事故後は「信号が点滅したらしっかりと止まり、曲がり角も左右をよく見るようになった」と意識の変化を語った。

 映像を見た他の局員からは「事故を身近に感じた」「周りに気を配りたい」などの感想が聞かれた。

 山崎さん、伊藤さんの2人も市内でイヤホンを付けて自転車に乗っている高校生をよく見かけ、「自分たちも並走したことがある」という。山崎さんは「『大丈夫』だろうという安易な考えが大事故につながる。いつ自分の身に起こるか分からないと、意識するようになった」と話す。

 完成した動画は8分。放送コンテストでは惜しくも予選落ちだったが、動画制作中には同局が生徒会と協力し声掛け運動を行うなど、生徒の交通安全意識も高まり始めている。伊藤さんは「動画は今後、生徒会などと連携して啓発用に活用していきたい」と話している。(高津祐也)

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