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老舗「富士京山本呉服店」閉店へ 広尾

日本製の質の良い衣類にこだわり続けた中村社長

 【広尾】町本通10で70年衣類を販売してきた「富士京 やまもと呉服店(中村利治社長)が、5月にも閉店する。社長自身の高齢化と後継者不在が理由。来店客からは屋号の「富士京さん」と愛着を持って呼ばれてきただけに惜しむ声は多い。中村利治社長(67)は「地域に支えられて商売できた」と感謝している。

 同店は、初代の山本健二さん(享年76)が、十勝、日高の沿岸で、主に漁業者を相手に衣類の行商をしていたころに始まり、1945年に同所で店を構えた。その後、初代の長女京子さん(64)と結婚した現在の社長中村さんが2代目として店を継ぎ、肌着、普段着からおしゃれ着まで幅広くそろえてきた。

 地域に親しまれている屋号の「富士京」は、日本一の標高の富士山と、当時仕入れをしていた京都にちなんでつけられた。日本製の質の良い製品を並べるのがこだわりで、来店客からは「富士京さんの服は10年も20年も着られる」と評判だった。

 また、昔から力作業の多い漁業者を顧客にしていたこともあり、腕周りが太めの衣類を多く用意し、喜ばれた。長く着てもらおうと、サイズの直しにもきめ細かく応じてきた。「お客さんに少しでも合うものをと思い商売してきた」という。

 現在同店は通常より5~9割引きの閉店セールを行っている。商品がなくなり次第閉店する予定で、5月中旬ごろには店を閉めるという。

 中村社長は「なじみのお客さんは、『閉店した後はどこで買ったら良いの』と声を掛けてくれる。うちの店を選んでもらい、親しまれてきた。ありがたい」と話している。営業時間は午前9時~午後6時半。問い合わせは同店(01558・2・2367)へ。(伊藤亮太)

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