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システムエンジニア、小学校教諭を経て…廣田さん芽室に新規就農

営農する畑の前で笑顔を見せる由美さん(右)と一公さん

 【芽室】元システムエンジニアで小学校教諭も務めた廣田由美さん(41)が今月から町東芽室の畑50アールを借り、妻の熱意に押された元自衛官の夫・一公さん(40)と共に新規就農した。「廣田農園」として野菜を作り、町内の愛菜屋に出荷する予定だ。

 由美さんは1975年札幌生まれ。幼い頃から生物に興味があり、「人間も生態系の一部。そう感じながら生きて行けたら」と考えていた。農業に行き着くきっかけは、既に幼い頃からあった。

 道教育大札幌校に進学し、微生物などを研究。幼稚園から高校までの教員免許も取得した。「一度は社会に出てから教員生活を」と考え、札幌で営業事務を1年、システムエンジニアとして5年働いた後、小学校で教壇に立った。

 2011年3月の東日本大震災を転機に、食と農について考えるように。忙しさに追われ、教育現場の子どもたちでさえ余裕がない生活に疑問を持ち、今後の生き方を考えた。経済や政治も勉強した。食と農への関心は高まるばかりで「会社や職場に与えられるのではなく、自分で仕事をつくり出すのが農業」と教諭を辞め、農業をライフワークにすると決意した。

 就農に向けて農家を回り、セミナーに参加するなどしているうちに、自衛官の一公さん(函館出身)の転勤で14年3月に帯広へ。由美さんの農業と食への熱意や、農業者と交流するセミナーに夫婦で参加する中で、一公さんも農業の魅力に取りつかれ、自衛官を退職。2人で就農を目指すことにした。

 昨年から1年間、先輩農家の山上美樹彦さん(61)=町新生=のもとで農業研修に励み、山上さんが借りていた土地を借りて新規就農に至った。帯広から畑の近くに住居も移した。今後は玉レタス、リーフレタス、サンチュ、ケール、ニンジンなどの野菜を作る予定だ。

 由美さんは「就農できたのは先輩農家とのご縁のおかげ。芽室には愛着を感じる。小さい農家ならではのことをしていきたい」、一公さんも「山上さんのように、地元の人に愛される農家になりたい」と張り切っている。2人を指導した山上さんは「農業、安全な食べ物に思い入れが強い2人。技術面などでサポートしていきたい」と見守っている。(星茉莉枝)

関連写真

  • 営農する畑の前で。由美さん(写真右)と一公さん(同左)

    営農する畑の前で。由美さん(写真右)と一公さん(同左)

  • 出荷予定の愛菜屋の前で。由美さん(写真左)と一公さん(同右)

    出荷予定の愛菜屋の前で。由美さん(写真左)と一公さん(同右)

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