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地域おこし協力隊員に2人着任 新得町が林業担い手育成

不足する林業の担い手として期待される地域おこし協力隊員の高橋さんと堀田さん(右から)

 【新得】町は今年度、就業者不足や高齢化が深刻化する林業の人材確保に向けた担い手育成事業に取り組む。1日には「地域おこし協力隊・林業担い手推進員」として高橋太郎さん(42)=横浜市=と堀田雅彦さん(41)=札幌市=が着任した。町内事業所などで最大3年間の研修を通じて技術習得を進め、将来的な地域定住へとつなげる。 

 道によると、林業労働者は素材生産関係が増えている一方、造林と種苗は季節雇用が多く作業環境の厳しさもあって減少するなどしており、担い手確保が課題になっている。

 町は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」による雇用の場の確保、都市部からの人材の呼び込みの一つとして「林業担い手育成長期研修」を盛り込み、第8期総合計画(16~25年度)でも将来にわたる森林資源の循環と持続可能な森林経営による林業・木材産業の発展に向けた主要施策と位置付けた。女性専用の農業研修施設「レディースファームスクール」を参考に約1年前から体制作りを整えて来ており、地域おこし協力隊員として雇用することにした。 

 いずれも林業未経験者の40代の男性3人。高橋さんと堀田さんは1日に辞令を受け、残る埼玉県越谷市の男性(46)も6月からの任用となる。高橋さんは「自然と関わる仕事に憧れて新得に来た。戦力として町内で就職したい」、堀田さんは「限られた時間を有効に使いたい。いずれは身に付けた技術を他の人にも伝えることができたら」と抱負を語った。

 隊員の研修は西十勝森林組合や町内の企業が受け入れて実施。3月28日には町、同組合、4事業所、十勝振興局森林室の7者による「町林業担い手推進協議会」が発足した。調整で組合と2企業が隊員を受け入れることとなり、1年間をローテーションに技術指導を行う。また、協議会内で情報を共有し、研修や育成の課題なども話し合う。

 協議会会長に就任した村岡昇西十勝森林組合組合長は「現場での担い手不足は深刻な状況にある。1人でも多く新得に根付いてもらえるよう協議会も取り組んでいきたい」としている。
(大野篤志、小寺泰介)

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