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趣味の木彫り好評、浦幌の朴さん 鶴や亀130個制作

丹精込めた鶴や亀の作品を前にする朴さん

 【浦幌】町共栄の朴(ほう)弘さん(79)が、趣味の木彫りで鶴や亀を作り続けている。45歳で始めて68歳ごろ一時中断していたが、2年ほど前に再開し、これまでに130個ほどの作品を制作。結婚や長寿のお祝いにと作品を依頼されることも多い。朴さんは「これからも工夫して作り続けたい」と意欲をみせている。

 朴さんが木彫りを始めたのは、当時町内の林業グループ連絡協議会がカラマツを植林したのがきっかけ。事務局を務めていた朴さんは「老後にやることがなくなりボケたら困る」と、仲間数人と池田町の大沢銘木店に1週間通い、木彫りの基礎を学んだ。

 朴さんの木彫りは、堅いエンジュやイチイの木を用いた丸太から彫り出す「一本彫り」。主に直径5~6センチ、長さ30センチ余りの丸太を使う。丸太に鉛筆で形を描き、鶴は頭から足へとワイヤードリルに取り付けたノミで荒削りし、4段階の布ペーパーで磨いて仕上げる。鶴1羽を完成させるのに3日ほどかかるという。

 「首の曲がり部分は正目になり、特に割れやすい」といい、細心の注意を払う。脚のふくらみの表現、頭頂や羽に白い皮を生かすなど、鶴のイメージを出す工夫も施している。2月下旬に行われた吉野公民館の文化週間でも展示。その精巧さに、地域の人から「どこで買ってきたの」と言われるほど完成度が高い。

 木彫りを始めたころ、旧留真温泉に試作品の鶴を飾った際、釧路家庭裁判所の職員の目に留まり、ぜひ譲ってほしいと懇願された。以来、数年の間に30羽ほどを作ったこともあり、15年ほど前には同裁判所長の黄綬褒章の記念品として2羽の「夫婦鶴」の制作依頼も受けた。

 今までにおおよそ鶴100個、亀30個を作ったが、ほとんどは知人や友人に譲ってきた。最近は親せきや友人に頼まれることが多く、入学祝いには「親子鶴」、結婚記念には「夫婦鶴」、米寿のお祝いには「鶴と亀」を贈っている。

 妻の順子さん(76)は「好きなことをやって人に喜ばれている」と応援する。朴さんは「ぼけ防止のためにも、これからも工夫を重ね、鶴と亀を作り続ける」と意欲的だ。(円子紳一通信員)

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